4年前の今頃、私は息子を特別支援学級に入れるべく、教育委員会と某小学校の校長と壮絶な戦いを繰り広げていた。

 

全ては「息子に二次障害を起こさせない、不登校にしないため」に。

目標はただただ、それだけ。

それに命を懸けるぐらいに頑張っていた。

 

当時の私は「息子が不登校になったら人生お終いだ」と本気で思っていたのである。

 

ところがどっこい。

 

『はい、トンコさん!!4年後の現場のトンコです。

 

あなたの息子さん、特別支援学級に入っても不登校になってます。

 

それどころか、そこにはもう住んでおりません!!

県を越えて、家族と一緒に逃げるように引っ越しましたよ!!

 

それでどうなったと思います?

2回目の不登校ですよぉ!!』

 

という事実を告げたら、私はどうなっていただろう。……正気でいられないことは確かだ。真顔

 

 

それでも4年前の私に言っておきたいことがある。

 

アナタがどうしても阻止したかった「最悪の事態」が起こっても、人生は終わらない。

 

 

希望のある言葉のように見えて、今の自分には本当に辛い言葉である。真顔

 

 

リセットしたくても、どうにもならず、ただただ生きている。

 

消えることもできないから、オロオロしながら、生きている。

 

時には泣きながら、人生に絶望しながら、無駄に酸素を吸っている。

 

 

 

以前、学校から手渡されたプリントに「我が子4人を東大に入れた〇〇ママ オンライン講演会」のチラシが紛れ込んでいた。某大手新聞社主催、県の教育委員会が後援のイベントだそうだ。

 

手に取りながら、相当暗い気持ちになる。

 

教育委員会が後援するってことは、〇〇家の教育方針が理想だから学んで欲しいってことよね。

だからピッカピカの立派な紙にカラー印刷して全児童に配布するんだよね。

 

でも……今の私は、〇〇ママから学ぼうという気持ちになれない。

この講演会に出かけたとて、「〇〇家は、お子さんに学力・コミュニケーション力・忍耐力が備わっていて、ママが努力家で管理能力も高いから出来たことでしょうが!!」とひがんで終了だろう。

 

ウチの親子には何一つ持っていない能力だ。だから、そのスタート地点に立つこともできない。

 

私が〇〇ママの真似っこをして「あなただって、学校に行かなくても塾に行って、毎日10時間勉強すれば東大の医学部に入れるかもしれないよ?!」と言ってコロを頑張らせたところで、二次障害が悪化するのは火を見るよりも明らかだ。

 

〇〇ママ、わが子が乳幼児期に本を1万冊読み聞かせしたという情報を聞いたことがある。

いや、本当にマジで凄い。尊敬する。

 

……だけど、私には到底できない。

死ぬ気になって、無理に無理を重ねれば出来るかもしれないけれど。

 

今、それを「コロが不登校になったから、ハコはこうならないように!!もっと頑張らせないと!!」と気合を入れたとて、空回りしてしまいそうな気がする。

 

2歳になっても一向に喋るようにならないハコに、辛く当たってしまいそうだ。

「お母さんが、毎日毎日こんなに頑張って絵本を読んであげてるのに!!何で喋るようにならないの!!」とイライラし、虫の居所が悪ければ、手が出てしまうかもしれない。

 

 

そんな訳で、最近は本やネットやテレビに転がっている「今の私を傷つけない言葉たち」を探すことがライフワークになっている。

 

 

申し訳ないけれど、私が今必要としているのは〇〇ママの子育てメソッドではない。

何なら、子育ての情報を発信している人じゃなくてもいい。

 

「ま、こちらはこちらで。ゆっくり生きましょうよ、ね?」と言ってくれる人が必要なのだ。

 

 

 

例えば、Eテレの0655という番組の1コマ。

「うのきろり」というプラカードを持った何ともいえない表情のカブトムシが登場。

 

 

 

並びかえると「のりきろう」という言葉がでてくる。

 

 
どことなく脱力した雰囲気のカブトムシに「のりきろう」と言われると、今日もどうにか生きようと思えてくる。

 

 

 

 

殺伐とした荒野で言葉の殴り合いが繰り広げられるTwitter(X)の中には、時折一輪の小さな花が咲くように優しい言葉がそっと置かれていることがある。すかさず、私は言葉をスマホのメモ帳にコピーしたり、スクショに残して、コレクションとして大切にしている。

 

 


 

※平熱先生のツイートより。

 

ドリフの「歯ぁ磨けよ!!」に通じる熱量を持つ言葉だ。そう、世の中には死ぬ気でやっちゃいけない人種もいるんだよね。

 

 

 

 

 

※いつもここから 山田一成さんのツイートより。

 

「ピクニック行きたい」シリーズは、些細なことでモヤモヤしている人に寄り添う言葉が安心感をくれる。

 

オンエアバトル、エンタの神様を経て、「ピタゴラスイッチ」で再開した時は小躍りしたっけ。

 

 

 


 

 

 

 

 

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【不定期・読書日記】

 

 

 武田砂鉄:著

『父ではありませんが 第三者として考える』

 

子育ての世界、特に義務教育の世界は「それぞれ事情がある」ということが置いてきぼりにされがちだな…と思っていた時に出会った本です。

 

父ではない砂鉄さんの冷静なのに温かく深い考察が書かれています。

 

寝床で1章ずつ読むと、ストンと眠りに落ちる心地良さがある本でした。

 

 

 

 

 

 

Twitter(X)の平熱先生の言葉は、短くも深い。そして潔い!!

 

「特別支援教育は全人類に有効です」が合言葉。この本は、私のスマホに入れていて、病院の待ち時間などに読んでます。