隠すつもりは毛頭なく、ただ単純に書き忘れていただけなのだが、我が家の自閉っ子コロ(小3・特別支援学級在籍・不登校)は児童精神科で出して貰った薬を1年以上服薬している。

 

 

コロが服薬しているのはリスパダールというお薬で、大人の精神疾患にも使われるものであるらしい。


 

昨年、隣県に引っ越して児童精神科のクリニックを変更した際に、(県を跨いで病院を受診すると医療費の手続きが面倒になってしまうので、紹介状を書いてもらって転院した)ちょうどコロに夜驚症のような症状が出ていたので相談すると、「リスパダールを飲んでみますか?」と勧められたのだ。

 

 

新しい主治医の先生は、ASDの症状が治る薬ではないこと、まして人格が変わるような怖い薬ではないこと、飲み忘れても問題ないこと、一生飲み続ける必要もないし、本人が止めようと思えばいつでも止められる薬であることを丁寧に丁寧に説明してくれた。

 

 

息子に精神科の薬を飲ませるのに全く抵抗がなかったかと言えば嘘になるのだが、「コロの睡眠の質が落ちまくる→昼間も不安定になる→夜驚の症状が酷くなる→私や夫、ハコまで夜中に起きる→全員寝不足」という家族を巻き込んだ睡眠問題が勃発し、この状況を少しでも打開したかったのも事実。

 


栄養療法をしたくても、残念ながらコロの偏食具合ではどうにもならぬ。ネガティブ笑い泣き

 

 

何より、自分がうつ病になった時に精神科の薬に助けられた経験があったのは大きかった。


精神科の薬を飲むことで、不眠・動悸・冷や汗・体の痛み……など私の体のあちこちに出た不調が改善されたし、夕方になると襲ってくる「私とコロの真上に飛行機が墜落して即死しますように!」という、今考えると恐ろしい思考回路のループから抜け出すことができたのだ。

 

あの時、精神科の薬を飲んでいなかったら……今こうして呑気にブログなんぞ書けていなかったと思う。真顔

 

 

そうは言っても、私がリスパダールを飲んだことがある訳ではないので、新しい主治医には「少し考えさせてください、前向きに検討します。」と伝え、ひとまず情報収集をすることにした。

 

 

まず、転校前にいた学校のクラスメイトのママさんから「ウチの子、リスパダールを飲んでるんだよねー。」と聞いたことがあったので、ラインで連絡を取ってみた。

すると、「うん、今も飲んでるよ。入学前から薬を飲んでて、小学校に上がる時に量を増やしたの。副作用もないし。効果は、正直よく分からない。薬を増やした時に、若干落ち着いたかなぁ…ぐらいだよ。」という旨のお返事が。フランクかつ明確なお答えの何と有難かったこと!お願いキラキラ

 

 

Twitterで情報を発信してくださっている児童精神科の先生方や、信州大学の本田秀夫先生のオンラインの講演会を聞いて、薬のメリット・デメリットを自分なりにリサーチした結果、私の心は固まった。

 

 

次回の診療の際、コロの主治医の先生に「いろいろ考えたんですが、リスパダールを飲ませてみることにしました。」と伝えると、「このお薬は人によって色んな副作用があります。同じ薬なのに、眠くなる人もいれば逆に眠れなくなる人もいるという具合です。もし生活に支障が出たら、また相談してくださいね。最小限の量から始めますから、効果が何も出ない場合もありますよ。」と、これまた丁寧に説明してくださったのだが、やはり副作用の説明に緊張したのは言うまでもない。

 

 

コロに「これは、コロちゃんが夜中に起きないように、朝まで眠れるようになるお薬だよ。ヨーグルトに混ぜて飲もうね。」と伝えたところ、本人もぐっすり眠れなかったのが辛かったのか、服薬をあっさりと了承してくれた。

 

 

すると、飲んだその日から夜驚の症状が嘘のように出なくなり、朝までぐっすり眠ってくれるようになったのだ。コロは今も継続的に夜1回の服薬を続けており、不眠の症状は殆ど出ていない。

 

 

ちなみに、我が子に関して「うぉぉぉ、リスパダールってスゲェじゃん!!」と感心したのは、睡眠の症状だけだったことをここに付け加えておく。

 


あとは、本当の本当に何の変化もなし。泣き笑い

 


丸一日学校に行けるようになったわけでもなく。


偏食も治らず。


朝から晩までゲームをする生活も変わらず。


文字を10個以上連続で書くと、疲れてフリーズ。


虫嫌いも、外出嫌いも治らず。


相変わらず24時間オムツ生活。

 

コロのASDの特性、なーんも変わらん真顔

 

 

コロが服薬を始めて暫く経った頃、児童精神科医の吉川徹先生(ご自身もゲーム大好きということで、私の信頼度爆上がり)がTwitterで控えめに紹介しておられた本を読んだ。

 

 

 【吉川先生のTwitterより】

 


本のキャッチフレーズにあった「うちの子が精神科の薬を勧められたら」という言葉に興味を引かれたのだ。

 

内容は、精神科の薬を否定するわけでもなく、かといって薬を絶賛するわけでもなく。中立的な立場で薬の情報が書かれていたし、何より平易な言葉で素人でも分かりやすいのが有難い本だった。

 

 

本田先生や吉川先生だけでなく、井上祐紀先生などなど……コロの子育てをしていると「推しの児童精神科医」「推しの小児科医」がどんどん増えていく。爆笑


本業の合間を縫って情報を惜しげもなく障害児の子育てに関する情報を発信してくださる先生方、控えめに言っても神である。

 

 


先日、コロの主治医のもとへ行った時に「コロくん、調子はどうですか?」と聞かれたので、「相変わらず夜は良く眠れています。でも、学校に行くと10分もしない内に問題行動が山ほど出てくるので、今は全休にしています。」と答えたところ。

 

先生は「ははは、そうですか。夜眠れてるなら良かったです。薬の量を増やして学校に行くっていう手段も無いことは無いんですが、環境調整がうまくいっていないのに、登校を目指してもコロくんが辛いだけですし。薬の量はこのままで継続しましょうかね。残念ですけど、今年度の登校は難しいかもしれないですね。お家で出来ることを考えましょう。」と、やんわり登校のドクターストップをかけておられた。


そして、「薬を飲んで、人格まで変わって、すんなり学校に行ける薬なんてあったら、それはそれで怖い薬ですからね。」と真顔で仰っていた。

 


「うんうん、先生、私は素人だけど、激しく同意っす!!」と心の中で相槌をうちながら「そうですよね。」と力強く返事をした。真顔

 

 

 

そんな訳で、もし「トンコさん、コロちゃんにリスパダール飲ませてるって耳にしたんですが、効果はどうですか?」と誰かに聞かれたら。

 

「うん、ウチの子は夜に良く眠れるようになったよ!!あとの困りごとはビックリするほど何も変わらねぇよ!!」と答えることにしよう。

 

 

 

 


※一個人の経験談です。当然ながら薬の効果には個人差がありますし、専門のお医者さんにご相談を。

 

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『子どものこころの薬ガイド親の疑問の答える』著:岡田俊

 

吉川先生の仰る通り「手堅い本」でしたし、素人の私でも凄く読みやすい良書でした。イラストもかわゆい。