新年度から学校に行かなくなった息子コロ(特別支援学級在籍、小3)と一緒に過ごした1学期がもうすぐ終わろうとしている。

 

 

母の私の日課と言えば、学校に欠席連絡をすることだけだ。

 

校長先生と教頭先生のご尽力で欠席連絡がスマホから出来るようになったため、学校の事務室に電話が繋がらないことや欠席の理由を毎回言うストレスから解放され、それだけで心が凄く楽になった。

 

ウェブ上の欠席連絡ツールで、学年とクラスを選択し、名前を入力。欠席のマークをポチっと押し、欠席理由の欄に「心の不調のため」と入力して送信ボタンを押すだけだ。

 

欠席理由はスマホに「こ」の1文字を入力しただけで、予測変換で「心の不調のため」と勝手に出てくるようになったから、毎日の欠席連絡が10秒もかからない。

 

機械相手ということもあり、「毎日忙しいのに電話に時間をかけて申し訳ない」とか「また欠席と思われてるんだろうな」などという嫌な気持ちにもならず、無の心境で欠席連絡ができるようになったのだ。

※ちなみに私は、すかいらーくグループのファミレスの配膳ロボットのネコも大好き。にっこり

 

 

どうせ登校できないし、コロは元々偏食が酷くて給食が食べられない子だから、学校に相談して給食も止めてもらった。

 

 

そうこうしている内に、私の心がマヒしてくるのか、コロに「何で学校に行かないの!」「明日は行けるよね?」などという言葉をかけることも無くなった。

 

 

朝食を食べたら、速攻でYouTubeの動画を観たりゲームをひたすらやり続けるコロの近くで、私は淡々と洗濯物を干したり、ハコを保育園に送る準備をしている。

 

日中、私は別室で仕事をしているが、夫は更に感覚がマヒしているのか、自分のテレワークの日には、コロがゲームをする真横で仕事をしたりリモート会議に出席したりしている。

 

※以前、私が「コロがこのままずーっと学校に行かなかったらどうしよう」と夜中に泣いていたら、夫は「なぁーに、子どもなんてさ、ある日突然バシッと変わるもんだよ。待ってりゃいいんだよ」と自信満々で言ったことがあった。その一言で、何となく私も諦めがついた気がする……。

 

 

幸か不幸か、私たち夫婦にとっては、コロが学校に行かないで家に引きこもっていることが日常になってきているのだ。

 

 

 

コロは不登校中に、自分で冷凍庫から冷凍パスタを出し、お皿に載せて電子レンジで温めて昼食を食べるという技を身に付けた。

 

何せ感覚がマヒしているから「すごいじゃん、コロ!これは立派なお料理だ!これで大人になってもご飯が食べられるじゃないか!」などと褒めてしまうことすらある。

 

 

 

 

相変わらず、ゲームと動画の視聴時間は1日10時間をゆうに超えている。

 

 

息子のゲーム&動画視聴時間。日付は消してあります。
 
 

……もし我が家が【18歳未満のゲームは「平日60分、休日90分」】という条例を定めた某県に住んでいたら、条例違反で夫も私も学校からこっぴどく叱られ、村八分になっていたかもしれないが、我が県にはゲーム条例がないから、スクールカウンセラーのおばちゃまに「まぁ!!そんなにゲームやってるの!!」と驚かれるぐらいの反応である。

 

不登校支援の一環で我が家に家庭訪問に来たおばちゃまに至っては「そんな事はあるある過ぎて、驚きもしません真顔」とキッパリ。

 

全体的に大らかな自治体で助かった。

 

 

勉強は1日15分か20分。やれる日はやるが、心がしんどい日は、コロがてきめんに字が書けなくなるから、さっさと止める。

 

 

そりゃ、学校に行った方がいいに決まっている。

毎日、お友達と楽しく過ごして欲しい。

 

でも、コロは学校に行くと心がすり減り、へとへとに疲れてしまう。

辛くて辛くて、楽しむどころの話ではない。

 

大人だったら転職できるけど、小学生の子どもが行く場所は極端に限られる。

学校に適応できない子どもは、家で楽しく過ごすのも選択肢の一つなんじゃないだろうか。

 

学校に行かないと将来どんな大人になるのかなんて、私にはさっぱりわからない。

 

コロが自閉症だと分かった時、「コロの自立が目標だ」と思ったが、自立できるかもわからない。

 

20年後に私が「やっぱり無理してでも学校に行かせればよかった」と後悔して号泣しているかもしれない。

 

それでも今は、コロに「キミは充電が必要なんだよ。はい、学校はお休み!」と言っている。

最後に母の私が「骨拾いババア(©P先生)」になればいいんだから。

 

 

それでも、心が折れそうな時には、Twitterの平熱先生のつぶやきを思い出す。

 

 

 【土の中と空の上、どっちがたのしいかはセミにしかわからないんだよ。

このむつかしい話わかる?】

 

 

学校の中と家の中、どっちがたのしいかはコロにしかわからない。

 

このむつかしい話、いつか少しでもわかるようになりたいと願う。

 

 

 

 

 

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