我が家の自閉っ子コロ。
本日も元気に絶賛(?)欠席中である。
ハコは体調が悪いようで、咳は出ないものの、滝のような鼻水を出し、グズグズと機嫌が悪い。
やれやれ、今日も一歩も外に出られないのか。
朝っぱらから溜息しか出ない。
地球上の二酸化炭素濃度の上昇に、私は加担しまくりである。
朝、学校に欠席の電話をかけたら、支援級の担任の先生が折り返し電話をくれた。
「あ、お母さん?明日、卒業式でしょう!今日、3時間目と4時間目を使って、6年生と最後に外で遊ぶ予定なのよ~。コロちゃん、誘っても学校に来れそうにないかな?」
……よその学校から転校してきたコロにも、優しく声をかけてくれた6年生のお兄さんがいよいよ中学生になるのだ。
本当に支援級の子なのかっていうぐらいにシッカリ者で、すぐにコロの名前を覚えて「コロくんも一緒に帰ろう!」と声をかけてくれたお兄さんに思いを巡らせて、母の私の方が胸がいっぱいで泣きそうな気分になる。
が、コロは「最後の〇〇」に全く引かれない男である。
前の学校の離任式の時も、そうだった。
入学前に、オムツ登校を教育委員会からも校長からも拒否されたコロを、壁になって守ってくれた支援級の主任先生が別の学校に転任されるというのに、コロはどんなに説得しても登校しなかったのである。
「サイトウ先生(仮名)に、もう会えなくなっちゃうんだよ?最後に”ありがとう”を言いに行かなくてもいいの?!」と、何度も何度も確認したが、「行かない!」の一点張りのコロ。
担任でもないのに、自分の給料が上がる訳でもないのに、コロを権力から守ってくれた上に、良い所をたくさん褒めてくれた恩人にお礼も言えないなんて、私の方がコロの10億倍ぐらい落ち込んだものである。
そんな記憶があるので、私は電話口で「そうなんですよね……。6年生とはもうお別れなんですよね……。ただ、コロは頑固な子なので、一度行かないと言ったらテコでも動かないんです。こちらも何とか説得してみますけど、もし学校に現れなかった場合は、説得に失敗したと思って頂いていいでしょうか……」という情けない返事をするしかなかった。
担任の先生は「了解です!でも、みんな待ってるからねー!!」と残念そうだ。
電話を切った後、コロに「明日、6年生が卒業式だから、最後にみどり学級(仮称)のみんなで外で遊ぶんだって。行ってみない?」と、にこやかに誘ってみたのだが。
案の定、コロはゲームの画面から目を離すこともなく「行かない」と無表情で言い放つのであった。
「本当に?!6年生と遊ぶの、最後なんだよ?!」と何度声をかけても、「うん!!行かない!!」とキッパリ。
やっぱり、今年もダメだったか。
この分だと、コロは私が死んでもゲームを優先して葬式にすら出ない可能性が高くなってきた。
もう私の葬式は要らないから、浮いたお金でコロにゲームソフトでも買ってやるように今から夫に伝えておこうと思う。
このまま私は、テレビでよく見かける”葬儀代まで保証する”保険の加入とは無縁の生涯を送るのだ。