自閉っ子コロ、完全不登校からの転校を経て、1学期が終了した。
コロは毎日、ゲームとYouTubeだけで、一日を費やす日々に逆戻りだ。
我が家の1台しかないテレビはコロに占領され、コロナ禍でテレワークが多くなった夫に気遣い、私は息を潜めて赤子と暮らす生活である。
……もう明日から2学期でもいい。(切実)
そんな発狂寸前の日々を過ごしている私であるが、先日、小学校の個人面談に行ってきた。
担任の先生は、スーパー講師S先生なので、気が楽である。
……問題はB先生(主任、中学生女子ボス的風格)が面談に立ち会わないことを祈るのみだ。
時間に遅れまいと、心して学校へ向かう。
が。
大ポカ女のワタクシ、時間を30分間違えていたらしい。
やたらに早いコロ母登場に、S先生はビックリするも、すぐに気を取り直して、優しいお言葉をかけてくれた。
「遅いのは心配しちゃうけど、早い分には全然いいです!」
そして、間髪を入れずにS先生は言った。
「あ、今日はラスボスが来るから、ちょっと待っててくださいねー。」
『ぱ、パーどぅん?ラスボス??やっぱりB先生が来ちゃうの??嫌だわ!逃げるわ、私!!』と、心の中で不安が超高速で駆け巡る。
私が目を白黒させていると、それを察したS先生は、「ラスボスって、校長先生のことだからね!」と、慌てて付け足した。
よ、良かった…!!
安堵から、思わず小声で言ってしまった。
「S先生がラスボスって仰るので、私、てっきりB先生が来るかと思ってました……!」
S先生、爆笑しながら小声で応答。
「そうなのよ、あの人、怖いでしょ。言い方が威圧的すぎる。大丈夫、他のお母さんも、みーんなそう思ってるハズ。気にしちゃダメだからね!」
今まで、私は『B先生が恐怖すぎる』という話を大っぴらにしたことが無かったのだが、S先生はすっかりお見通しだったのだ。
面談開始から5分後、一瞬だけB先生が教室に入って来て、身の毛がよだつ思いをしたのだが……。
S先生が「あ、お母さんが間違えて30分早く来ちゃったから!大丈夫!!」と、追い払って(?)くれた。
そうこうしている内に、ラスボス校長先生が登場。
満面の笑みで「わぁー、コロくんのお母さん!コロくん、良く頑張りましたねぇ!!」と開口一番、仰ってくれたことが本当に嬉しかった。
校長先生は、毎朝、校門に立って、児童全員に挨拶をしている。
前の学校の校長先生は他の先生と交代で週1~2回立っていたけれど、ここの学校の校長先生は、出張の時以外は、雨の日も、カンカン照りの日も、一人で門に立っている。
校長先生は、毎朝、毎朝、「コロくん、今日も来れた!!偉い、偉い!!」と褒めてくれるのだ。
コロは挨拶も返せない子なのに、それを咎めることはせず、ただただ登校して来ることを褒めてくれるのが、マジで有難かった。
この小学校の校長先生は、ラスボスなんかじゃない。だって、戦う必要が無いんだもの。
戦うどころか、我々親子を応援して、褒めてくれるのだ。泣けちゃうじゃないの。
優しい校長先生と、スーパー講師S先生と、ポンコツ母の面談の内容は、また次回。