参院選の時期だ。
我が家は6月に県外へ引っ越したため、投票するために超煩わしい手順が必要で、冗談抜きでゲッソリ疲れてしまった。
日本国内なのに、投票までにトラップが多すぎる。
誰の参考にもならないと思うが、備忘録代わりに書いておこうと思う。
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まず、旧住所の投票券が新住所に転送されてくる。(郵便局での転送手続きが完了している事が条件。)
が。
この投票券を持って、現住所の投票所でそのまま投票することは出来ない。
まず、これが第一のトラップだ。
旧住所のある自治体の選挙管理委員会に、投票券を郵送し直して、手続きを行わなければならないのだ。
(もちろん、切手代はこちら持ちである。)
数日後、旧自治体から、なにやら厳重装備で書類が送られて来る。
中身は、候補者一覧と投票券だ。
投票はあくまで、旧自治体の候補者から選ぶ仕組みであるらしい。
中に投票券が入っているのだが、これを絶対に開封してはならない。
……これをウッカリ開封すると、投票が無効になるらしい。
これが第二のトラップである。
既にヘトヘトであるが、まだまだトラップは終わらない。
近所(徒歩10分)の期日前投票所へ行って、投票しようとしたら、【選挙管理委員会】というバッジを付けたオジサンに、
「ああ、これね!残念だけど、ここで投票出来ないの!コレが投票出来る場所は市内に3箇所しかないの!私、これの手続き、ホントは出来るんだけど、私が怒られちゃうのよ!赤ちゃん連れなのにゴメンネー!!」
と軽くあしらわれる。
オッサンの謎のマウンティングを聞いただけで、徒労に終わる悔しさったら。
これが第三のトラップである。
赤子を連れて、電車に乗り、指定の投票所へ。
当然、往復の電車代はこちら持ちだ。
暑さで意識が朦朧とする中、またもや偉そうな【選挙管理委員会】というバッジを付けたオッサンの偉そうな解説を受ける。
開封厳禁の袋をうやうやしく開けるオッサン。
投票券2枚、大小の封筒2組(計4枚)を眼の前に出されて、「黄色の投票用紙には候補者名、白い投票用紙には政党名か候補者名を書いて、自分で封筒に入れて、封をしてくださいネッ!」と、言われる。
もう、この時点で疲れがピークに達する私。
数々のトラップをくぐり抜け、投票券の色を間違えずに記入しただけでも、自分を褒めてやりたい。
が。
私は最後のトラップに引っかかってしまったのだ。
封筒(小)に投票券を入れなければならないのに、ウッカリ封筒(大)に入れてしまったのである。
それを見ていた選挙管理委員会のオジサン、鬼の首を取ったように、
「あー、アナタ!!小さい封筒に入れるんですよ!!封筒を二重にする意味、分かってますか?!秘密を守るためなんですからネッ!!」と叱られてしまった。
もう、オッサンの始終「投票させてやるんだかんな!」みたいな態度よ…。
頑張ってここまで来たのに、萎えちゃうよぉ。
仕方がないので、「スミマセン、うっかり者なので、この手の間違いでよく怒られるんです。お手数おかけしてスミマセン…。」と、丁重に謝っておいた。
オッサンは、フン!という態度で、投票券の封筒を開け始めた。
「最後に分かればいいんですよ。時々いるんですよねぇ、こういう人!!」という捨て台詞まで頂戴する始末だ。
私の後に投票した夫に、「封筒、二重になってたの、失敗しなかった?」と聞いたらば。
「係員さんが1枚ずつ封筒渡してくれたから大丈夫だったよ?」と涼しい顔で答える夫。
オッサァァァァン!!
私にもソレ、やってよぉぉぉ!!
怒りが猛烈に込み上げて来たが、入れ間違えたのは私なので、仕方がない。
選挙管理委員会のオッサンは、投票券を渡すアルバイトと思しき若い女性に「その仕事、変わってあげようかぁ〜?」と話しかけ、「いえいえ、○○さんにしかできないお仕事が沢山ありますので!」と言って貰い、嬉しそうにニヤニヤしていた。
死んでもあんな人間にだけはなるまい!!!
そう固く心に誓った私である。
しかし、そんなオッサンにも、ニッコリ愛想をふりまく生後5ヶ月の我が子を見て、母ちゃんは自分が煩悩にまみれている事を痛感したのだった。