アメーバブログの管理ページには、[あなたは1年前、こんな記事を書いていました]と教えてくれる機能がある。それを見たらば、今からちょうど1年前、我が家はASD息子コロの就学相談で教育委員会と大モメしている最中だった。ゲッソリ

……この出来事で私はうつ病を患ったし、本当に辛い経験だったので、終わったこととは言え、未だにモヤモヤする出来事だ。

 

 

今年もアメブロに就学相談の話題が出るようになってきたけれど、やっぱり我が家のように親が希望した就学先と、教育委員会から提示された【判定】が違うことで、悩んでいる親御さんがいることを知った。

 

これからもずーっと、日本では[普通級か支援級か支援学校か]で悩まされる方が続出するんだろうなぁ…と思うと何とも言えない気持ちになる。

 

 

就学相談で結論を出した私でさえ、未だに息子を支援級(にこにこ学級※仮称)に入れて本当に良かったのかな…という思いが胸をよぎることがある。

 

にこにこ学級の先生は、特別支援教育の訓練をきちんと受けた先生が多く、加配の支援員さんも充実しているので、コロは様々な合理的配慮を受けながら毎日楽しく登校している。

だから、後悔は全然していないのだけれど…。

 

私がモヤモヤする原因は、我が家が住んでいる地域の独特の事情にあると思う。

 

にこにこ学級は、一度入ってしまうと6年間ずっと普通級に移動はできないシステムだ。

これは教育委員会が意地悪をしているのではなく、にこにこ学級が知的・精神障害混合クラスゆえ、小学校4年生までの学習内容しか履修できないという事情があるからだ。

 

そんな訳で、中学も普通級の進学は認められず、中学で支援級に入ると普通高校への進路選択もできない。(実際、配布されたプリントのフローチャートにそう記されていた。)

※これはあくまで、この自治体だけの話で、地域差があることをご承知おきください。

 

 

にこにこ学級に入学するということは、16歳までの進路も自動的に決められてしまうという、結構キツい縛りがあるので、茨の道を選んでまで入る子はあまり多くはない。

 

それを敢えて我々夫婦は、にこにこ学級を選択したのだが。



6歳にしてコロの進路を強制的に狭めてしまって、果たして良かったのか…。

それとも、入学時にオムツが外れていない自閉っ子を無理にでも、普通級に入れた方が良かったのか…。

 

答えは出ないままだ。


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そんな中、日本生まれでアメリカ国籍の真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞を受賞したというニュースをネットの記事で読んだ。

 

 

記事の中で、真鍋さんのお言葉が紹介されていて、ハッとさせられることがあった。


「日本に戻りたくない理由の一つは、周囲に同調して生きる能力がないからです」

他にも、(真鍋さんが日本ではなくアメリカで研究を続けるのは)米国では周りを気にせずやりたいことができるから」というものもあった。

 


……何だか日本の教育の本質をついている気がする。

 

日本の義務教育で導入されている普通級のシステムは、優秀な面もたくさんある。

学習指導要領があるから、全国どこに行っても比較的均一な教育が受けられるし、日本の識字率は世界トップクラスだ。何より、日本人の多くが行列にきちんと並んだり、治安が良かったり、災害時でも規律正しい行動が出来るのは、義務教育の賜物だと思っている。

日本の教育は、十分に優秀な子が育つ土壌があると思う。

 

 

ただ、それとひきかえに、日本の普通級は、スムーズな学級運営が圧倒的に重視されるから、周囲に同調して生きられる能力がないと凄く辛いのだ。

 

どうやら、周囲を気にせずやりたいことがやれる環境でもなさそうだ。

(やる気がないとか、自分勝手とか、授業妨害とか言われる可能性すらある。)

 

今のコロには、周囲に同調して生きる能力はない。

周囲を気にする能力もかなり低い。

 

やっぱりコロは普通級でやっていくのは難しそうだ。

※勉強などのカリキュラムがない学童保育ですら、コロは挫折してしまったし…。

 


本音を言うと、合理的配慮をきちんとしてくれる学校なら、普通級で学ばせたかった。

大阪市立大空小学校や、御所市立大正中学校のように、加配もあって発達障害にも理解がある、インクルーシブ教育が本当に整った環境があれば、喜んで普通級に入れていたと思う。

 

だけど、ここは大阪府でもなければ奈良県でもない。

30人超の学級を先生1人で運営し、加配も付かない…そんな普通級しか存在しない地域なのだ。



どう考えても、コロが一人で過ごせるとは到底思えず、我々夫婦はコロの[10年後問題]は脇に置き、現状のコロだけを見て、にこにこ学級に入学させることに決めた。

 


…ベストではないけど、ベターを選択したというしかない。

「これで良かったんだ」と「ホントに良かったんかな」の自問自答を行きつ戻りつしながら。


 

発達障害のある子を育てる環境って、本当にムズカシイ。