あちこの小走り日記-エリック・カール展



チケットをもらっていたので行ってきました。

GWということもあって大盛況。
親子連れはもちろんのこと、
そうではない人もたくさんいました。

子供のころに一度は読んだとか、自分の子供に読ませたとか、
いろんなきっかけで「はらぺこあおむし」を知った人が
多いということなんでしょうね。

絵本の原画や邦訳されていない絵本などが展示され
エリック・カールさんの工房での作業風景が
映像で紹介されていました。

薄い紙にアクリル絵の具を塗りつけたものを
赤、緑、青、黄など色の系統別に引き出しに収めておきます。
この紙はティッシュと呼ばれています。

実際の作業では、
トレーシングペーパーに書いたスケッチをもとに
自分のイメージに合うティッシュを引き出しから取り出し、
カミソリの歯とを使ってパーツを切り出していきます。
筆を使ってパーツに丁寧にのりを塗り、貼り付けていき
クレヨンで書き足したりもします。

ティッシュ自体を作品とする抽象画
「インディーズ・ペインティング」も展示されていました。
ティッシュはいわば絵の具の染みを寄せ集めたもの。
さまざま色が筆で幾重にも塗られ
その上から別の色で点描が打たれていたり
尖っていたもので引っ掻かれていたりする。

はらぺこあおむしの体を作っているティッシュのひとつが
フレーム全体に広げられ
その上に別のデザインのティッシュをずらして重ねたりして
それをそのまま作品とするイメージ。

エリックさんが絵の具の染みを「美しい」と
表現しているのが印象的でした。
その発想がティッシュを芸術作品にまで
昇華させたのだと思います。

2001年の来日時に着物柄からインスピレーションを受けたという
「キモノ」という作品も展示されていました。

エリックさんの絵本作家ではない一面も垣間見え
思いがけず童心に帰った時間でした。

あ。
らぺこあおむしは、男の子なんだそうです。