同じ職場の愛妻家 Nさん(30代男性)。
通勤の電車とバスが同じなので、時々ご一緒することがある。

ある朝、バスで一緒になった。
私はたまたま離れた席に座り本を読んでいたのだが
いつの間にか本に夢中になり
会社最寄の停留所に着いたことに気付かなかった。

Nさんはバスを降りる時、そんな私に

「achikoさん、着きましたよー」

と声を掛けてくれたのだった。


別の日。
仕事が終わって、会社の真向かいの停留所でバスを待っていると
Nさんがやってきた。
少し立ち話をしてバス停の電光掲示板を見ると、
バスはまだ2つ前の停留所にいると表示されていた。

Nさんにちょっと失礼してバス停前のコンビニ前に入り、
気になっていた雑誌を確認しに行った。
この雑誌の棚に立つと、バス停の電光掲示板が視界に入るので、
近づいてきたらすぐにバス停に戻ろうと考えた。

何時の間にか電光掲示板のことを忘れ、
雑誌に読み入ってしまっていところにバスがやってきた。
気付かぬ私にNさんは、
すばやくコンビニの自動ドアから半分身を乗り出して叫んだ。

「achikoさん、バス来ましたよー」

私はマッハで店から飛び出した。
バスに向かって走る私は、
バスのステップをゆっくりと牛歩で進むNさんの姿を見た。
時間を稼いでくれたのだった。


そんなNさんの心遣いに癒された。
Nさんありがとう!