甘露梅とブレードランナー | 小春Koharu ブログ

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宇江佐真理さんの時代小説はどんどんページが進む。久しぶりに書棚から出して読み直してみました。過酷な人生が描かれている反面、人情に包まれて最後はほっこりきて安堵する。

過日の火事で亡くなった花魁と妓夫がお針子のおとせさんを励ますかのように夢に現れこんなことを言う。

「おとせさん、世間のことなんざ、気にすることはありやせんぜ。おとせさんがそうしてェと思うんなら、そうした方がいい。どうせ人は、いつか死んで行くんだ。生きたいように生きるのが一番ですぜ。」

「泣いて暮らすのも一生。笑って暮らすのも一生。どうせなら、笑って暮らすのがいいに決まっておりいす。」

小説のセリフになんだか私も励まされ、元気が出る。これを書かれた当の宇江佐さんが丁度2年前に他界されていたことを知り、残念で仕方ありません。

小説の最後の方のページに、白い雪が音もなく降っていた。降る雪を黙って見つめていると天に昇って行くような気がした。とあります。

先日観た「ブレードランナー」のラストシーンの映像が蘇ってきました。

 

雪は全ての音を吸収し、音のない異次元の空間を作り出す。真っ白な雪の上に仰向けに空を見つめる主人公。同じように確かに天空からしんしんと落ちてくる雪を私も一緒になって見つめていました。その時の私も(映画を見た日の心境が大きかったと思う)天に昇っていくような気がしていました。

因みにストーリーに共通性はまったくありません。それだけそれぞれの最後の雪が私には印象深いものとなりました。