(月曜日)
チャリ…ッチャリ…
オレは主任の家の鍵をポケットに入れて
ずっとそれを触ってた
ほんとは
この鍵のスペアを作って
『きちゃいました♪てへ♪』とかやりたかったけど
さすがにそれは犯罪だろ?ジェジュンと言い聞かせやめた
オレは分別のある大人だから!
日曜に『返しに来ました!てへ♪』って家に行こうかと思ったけど
それもやっぱりやめた…
バカみたいだから!
あれだけ『負けない!』って意気込んだはずだったのに
でもいざとなるとやっぱり怖くて…
だってもしさ…もしインターホンをならして
『はい』
その声が『彼』のものだったら?
ありえない
でもありえないなんてことはありえない…
そんなこと考えたら
結局行けなかった…
そう…行かなかったんじゃない
行けなかったんだ
現実に起こりうるかもしれないことが起きること…
それがあまりに怖すぎて
オレは行けなかった
意気地なし―――ジェジュン…
■□■□■□■□■□
「ジェジューン」
同期のジュンスに声をかけられる
「おはよ」
「おはよう♪」
少し憂鬱だった月曜の朝
元気なジュンスの声につられるように少し元気を取り戻す
「金曜日あれから大丈夫だった?」
「うん」
「そっか良かったよぉ~そうそう土曜僕出勤したんだけどさ~」
「えっ!?なんで?ジュンス休日出勤じゃなかっただろ?」
なんで?
「う~ん…」
ジュンスは少し考えたあとオレにそっと耳打ちしてきた
「…今日ヒマ?」
いつものようにご飯を誘う感じじゃないジュンスに違和感を感じる―――
「暇だけどなんで?」
「う~ん…」
また考えるジュンス
「なんだよー」
するとジュンスはよし!って自分の中で何かをふっきったように
「今日はゆっくり喋ろうね~♪迎えに行くから~」って
オレが配属希望だった第一課に走って帰って行った
いいな…ユンホ主任に堂々と会えるんだ
ジュンスは…
え~今8時半だから…何時間一緒にいれるんだ?あいつは…
ざっと7…いや会議とか外回りあるからな…
えっと…
…やめた
こんなこと考えるの無駄
オレがなりたいのは有能な部下じゃなくて
たった一人の恋人の座なんだから!
でもそのためにはどうしたらいいんだっけ…
なんだかこの週末でよくわからなくなってきた…
あ~もう!!
「仕事仕事!!」
オレはふっきるように二課に向かって歩いた―――
■□■□■□■□
(チッ・・・・チッ・・・・・・)
ジュンスが迎えに来ない―――
就業時間ピッタリにオレは仕事を終わらせたのに
メールをしても電話をしてもジュンスと連絡がとれない…
「どうしたんだ?あいつ…」
約束を破るような男じゃないし…
うーん…
携帯を見ながらこれからどうしようかと悩んでいた矢先
(~♪ ~♪)
メールが来た―――
『ごめん!出先から直接店に行くからジェジュンもそこにきて~!
ほんっとごめんね
店は Rencontre ってとこだから~!!場所はね…』
ふんふん・・・・・・・・・・
「え!!とおっ!!」
会社の皆がオレを見る
「すみません すみません」
オレはそう言って周りの人にあやまった…
バカジュンス!大声出しちゃったじゃないか
だってこの店遠い!
会社から一時間近くかかる…
なんでだよ~!!!
なんでこんなとこ選んだんだよ!!
遠いよジュンス…
さては出先の近く選んだな…
も~…
でもオレは今日すっごく飲みたい気分だったから
しょうがなしにジュンスの言う場所に向かうことにした
『Rencontre』
そう…そこはオレと彼が動き始めるきっかけになる店
運命の場所だと…わからないままに―――