うずくまり震える体を起こして
その場に立った―――
だってここは…この場所は…
■□■□■□■
オレは一度目の失恋を思い出してた
制服で彼の高校を知り
そして名前…学年…そこまでを知ったくらいだった
『チョン・ユンホ 17歳』
凛々しい姿をした彼は本当に目だっていて
でもその傍にはいつも一人の可愛い男の子が寄り添ってた
知りたくもなかった名前は
好きになった貴方から教えられた
『チャンミン』と
そう呼ぶ貴方が好きだった
本当にその『チャンミン』を好きなんだろうなって
思えるような低く…甘い…優しい声
他人の名前だと…
オレじゃないんだとわかっていても
『チャンミン』
今だけはその名前に変わりたい
そう思えるくらい
その名前がうらやましかった―――
2人の姿を見たオレは
『諦めない』なんて選択は出来なかった
『諦めよう』そう思って
何も言わずにただ遠くから見ていただけのオレの恋は
簡単に終わり
彼に一度目の『失恋』をしたんだっけ…―――
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「チャンミン…」
どうしてここに…
あの人はなんのためにここにいたの?
ユンホ主任を思いだしてたの?
やめて…
やめてよ
彼の目にもう写りこもうとしないで
お願いだから…
そっとしておいて
前を向かせるのはオレなんだから
次の恋をするのはオレとなんだから…
お願いだから
彼の前に現れないで
オレが彼と恋をする
彼と…本気の恋をする―――
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ほんとは…主任の家に戻りたかった
でもそんなこと常識で考えたらしちゃいけなくて
だって恋人でもなんでもないんだから
ただの上司と部下なんだから
オレにとっては何年越しの恋でも
あの人にとってオレは今年はいったただの新入社員でしかないんだから…
だからオレは我慢したんです
主任オレえらいでしょ?
一応晩御飯だけと思って作ってきたけど
迷惑でしたか?
オレは…
どこまで積極的に動いていいんでしょうね
あの頃消極的すぎたことを後悔してて
だから今反動でこんなことしちゃって…
今頭の中から消えない文字があるんです
『あの人』なら…マンションにもう一度行けた?
『あの人』なら…あなたに恋人として見つめてもらうことが出来た?
『あの人』なら…『あの人』なら…
オレはオレでしか…キム・ジェジュンでしかないのに
『チャンミナ』…そう呼ばれた彼の嬉しそうな顔が
何年たっても忘れられない
あの…幸せそうな顔が…
ただ救われたのは
あなたの表情がいつも見えなかったこと
優しく呼ぶ声が響いても
彼に優しく触れる手先が見えても…
オレが見る角度からは
あなたの表情は見えなかった
それが…せめてもの救い
そしてオレの願い―――
貴方は人を愛した時
どんな表情をするんですか…
あの人へ向ける顔じゃない
オレへと向けられる愛情の表情をオレは見たいです
負けたくない
あの人に何かを言われたわけじゃない
でもオレにはわかるんだ
あの人は彼を想ってあそこに居た
それだけはオレにはハッキリとわかった…
負けない
負けません
オレ…絶対…
図書館から帰る道のり
オレの頭はずっとそんなことだけ考えて
いつも楽しみだった土曜の午後も
明日から会社だ~♪主任に会える♪って思ってた日曜日も
ただの憂鬱な日に姿を変えて…
オレを
深く
深い闇に誘おうとする―――
主任…会いたいです
土曜も…日曜も…
一目だけでいい
あなたの優しい瞳にうつりたい
ただ優しく微笑まれたら
それがオレだけのための頬笑みであったなら…
オレはそれだけでまた頑張れます
例えあの人が
貴方を取り戻そうと動き出していたとしても
それでも…オレは…
貴方を想うことをやめたりなんかしないから―――