同じ怖い夢をよく見るってあるあるだとは思うが。

小さい頃よく見ていた夢がひとつある。

運転なんかできないのになぜか運転席でハンドルを握っており、絶対運転ができないのはバレてはいけない夢。

でもブレーキのかけ方がわからないから永遠に曲がれる道を探しては曲がる。

加速する車に恐怖を覚える…と言う夢。



なぜかこれはパリにうつってからも、京都の町を走ってる夢だった。

そして免許をとってから見なくなった。




その次によく見たのが、パリの音楽学校で年末の試験を受ける夢。

ピアノ科の試験で、いつも試験を受けてたホールで私は観客席に座って、膝に楽譜を広げ、必死で譜読みをしている。

ステージには演奏中の生徒。

私はこの次の次に呼ばれる。

え、無理やん、こんなん、それまでに暗譜とか絶対無理やん、え、なんでこんなにこの曲知らんの??

と焦る夢。

音楽学校を卒業して6年ほどしたころ、この夢も見なくなった。





働きだしてからは、仕事に遅れる夢。

絶望的な方向音痴で、フリーランスで職場がころころ変わるからだろうか。

仕事を失敗するとか以前に、

とにかくありえないことがいっぱいおきて仕事場にそもそも辿り着けない

あぁ無理やもう遅れる終わった…!

と思いながら目が覚める。


これも、仕事をしだして7~8年ほどで見なくなった。





最近、ここ2~3年は、もっぱら一時帰国する夢を見る。

もれずここでも嫌な夢だ。


私は数年前から一時帰国が決まると「日本で買ってくるものリスト」をスマホで作り始める。

そして最近の夢では必ず、帰国日(日本からフランス…)の前日私は大慌てで例えば100円ショップで色々買い込んでいる。

スマホのリストに書き込んだものは見つからない、でも探してる時間なんてない。

とにかく便利そうな、子供たちが喜びそうなものをカゴに放り込んでいく。



その少し後、近所の商店街(まるで迷路のよう)をダッシュで通り、ついでに持って帰れそうな食材を考える暇もなく適当に買い込み、

商店街を出たところで新宿のような高層ビルがそびえ立つ大通りに出る。

(実際は河原町四条程度だと思う…)

そこで空想のイオンのような東急ハンズのような高島屋のようなよく分からん建物に入り、一階の居酒屋やカフェに入りたいのを時間がないから我慢してエスカレーターを急いで上っていく。

各フロアに見たくてしょうがない店やコーナーがある。

でも妙にごちゃごちゃしている。

ここも迷路のようだ。

本や雑貨、子供服、自分用の服、文具店、アクセサリーのパーツ屋さん、菓子店…

だめだ、時間がない。

パッキングもまだできていない。

子供たちを任せた母もそろそろ帰ってこない私にイライラしてるだろう。

途中諦めてダッシュで雨のなか帰宅する。



コンビニの前を通り(場合によって遅くまで開いてる古本屋)最後の悪あがきに何か買おうと入る。

色々吟味したいが時間がない。

あ~あれもこれも買ってない…!!






…そこで今朝は目覚めた。

バリエーションは毎回あるが、

共通するのがフランスに戻る前日で時間がない、予定していたもの以外ばかりを買って楽しいはずが焦りまくってる気持ち。





モヤモヤするが、起きると必ず、次回の一時帰国の買い物は最初の週にしてしまおう…と、

計画性に欠ける自分への忠告として受け止めることができている。





それに、よくよく考えると、

暴走する車に乗っていたり、暗譜状態でピアノの試験を受けたり、大事な仕事に遅れたり…

と比べると、100均に行き損ねたとか、もっとショッピングしたかったとか…

焦る気持ちが一緒の割にはしょぼいなぁ。

なんて今書きながら思う。




人生において不安なことが減ったのか、神経が図太くなったのか。

よく分からないが、当分「よく見る怖い夢」はこの夢でいいかな…とは思う。