使われなかったワクチンを無駄にしないよう、フランスでは数日前から優先でない人達もおこぼれの予防接種を受けられるようになった。

 

ただし、予約できるのは翌日のスロットのみ。

 

旦那と二人で毎日トライしてみているが、今のところ予約はできていない。

 




まぁ気長に待とう、そもそも5月にできるとは思ってなかったわけだし。

 

 

 

 

・・・と思いながらニュースを読んでいると、優先でない若者たちが大勢ワクチンを受けている事についての記事があった。

 

そして、ほとんどが、予約の際に嘘をついて、つまり年齢や健康状態等から自分は優先であるとの選択をして、枠をゲットしている事が書かれていた。

 

 

 

実際、いざワクチンを接種しに行っても、いっさいどの枠で来ているかは聞かれないらしい。

 

 

 

 

 

 

 

・・・これで、スムーズに国民の多くが次々と接種済みになって行ってくれるのであれば、いいのかもしれない。

 

何より、おそらく、実際に優先の人達は、(希望する者たちは)既に接種済みだ。

 


彼らの枠を盗って接種してもらってるわけではないのだろう。

 

 

 

それでも、そういう人たちは、順番を守らない事で、やっぱり人の枠を盗っている。

 

私や旦那みたいに、嘘をついてまで予約をしようとしてない人たちの枠を横取りしている。

 


馬鹿正直にせっせと何度も接続して、「優先ではない」欄にチェックを入れてる人たちとは、そもそも公平な競争をするつもりはないのだ。

 

 

 

 

 

 



全て白黒はっきりしてるわけではない。

 

年齢的にギリギリ優先とみなされなくて悔しい人もいるかもしれない。

 

何らかの理由で、より早く摂取する必要がある人もいるだろう。

 

だから、全部が全部、あかん!とは言わない。

 

 

それでも、どうよとは思わずにいられない。



旦那と私は、フランス人であると同時に、お互いイギリス人と日本人でもある。

 

お互い、列があれば、きちんと並びたい国民性をおそらく持っている。

 


そんな私たちがフランスで暮らすという事は、この、順番を抜かすのが(良し悪しはともかく)当たり前の行為だと言う事を認める必要がある。

 

むしろ、それをしたがらない私達が、一部の人からしてみるとおかしいのだと言う事を。

 

 
 
 


 

フランス人の、今は弁護士をやっている従姉が以前、「並んでて順番ぬかされるやつはアホ。その人の不注意で、自業自得」と言っていて、引いた経験がある。

 

(学生時代の、大学の食堂でできる列の話だったが)

 

いたってこっちではまともな人も、こう考えるような国だ。

 
(余談だが私のフランス人の父は絶対順番は守る。抜かされても笑顔で許す、私からしてみるとまた違うイライラするタイプの人だ。だからまぁ、もちろん例外はあるのが前提の話だが・・・)
 
 

 


 
こんな国で、イギリス人と日本人の、列はきちんと並びたい親を持つ子供たちが、将来、どう育っていくのか・・・。
 

私は、こう言うフランス人になってほしくはない、と思う。

それがずる賢い生き方だと、どうしても認めたくない自分がいる。
 
でも、私達みたいになったとして、彼らがそれで「得」するのか。
 
生きやすいと思ってくれるのか・・・。
 
 
 


 
 
 
 
とりあえず、私は今晩もまた、旦那と仲良く、黙々と予約サイトを更新し続けるのみである。