2024明治安田J1リーグ第27節名古屋グランパスvsサンフレッチェ広島 | 映画時々サッカー観戦ブログ

2024明治安田J1リーグ第27節名古屋グランパスvsサンフレッチェ広島

を観戦。

まずはレプリカシャツ





を今年もゲット。今年もカッコいい。夏季限定は勿体無い。



そして弁当はメグリアが無くなってからはt-FACEの一階を利用。中華やインドの弁当が多くて楽しい。最近すっかりハマってる。





さて試合はヴェルディに引き続き、「似た者同士」の対戦。私の記憶が確かならば、



名古屋の長谷川監督が今のシステムを導入するきっかけになったのがスキッベ監督率いる広島だったとか。また名古屋には、パトリック、稲垣、野上、森島と元広島が多くスタメンに名を連ねていた。ちなみにユニフォームは名古屋が赤で広島が白。正に広島の紅白戦を観戦している気分だった。



結局広島の完勝に終わるこの試合。勝敗の分かれ目になったのは、やはりまず監督だと思う。具体的に言えばまずはシステムの理解度。まず広島は試合全体を通して5バックになることが殆どなかった。最終ラインは常に3人か4人。それが名古屋との一番の違い。それが攻守のバランスという意味で大きな違いを生んでいたと思う。特に守備から攻撃に移る際、広島はピッチ全体に選手が散らばっていたのに対して名古屋は中央にパトリックと山岸がいるだけ。これじゃ広島も読みやすい。3-4-2-1システムが抱える最大の欠点、それはバランスの悪さ。広島はその問題をクリアしていた。



そして次の問題は、元ヴェルディのロティーナ監督流に言えば「ポジショナルプレー」。つまり、試合のあらゆる局面で「いるべき位置」に選手がいるかどうか。これも広島と名古屋は決定的に違っていた。ロティーナがヴェルディの監督になった際、徹底的に叩き込んだ「ポジショニング」。それは選手が立つ位置だけでなく立つ向きまでも細かく指導したらしい。それはヨーロッパならわざわざトップチームの監督が指導しなくても、育成の年代でみっちり叩き込まれているから自然に出来てしまうもの。だけど日本では意外なくらい浸透していない。それが「流れるような」スムーズな攻撃を広島にもたらした。ついでに言えばロティーナ時代のヴェルディ、ベンゲルやストイコビッチ時代の名古屋も似たようなことが出来ていた。監督が代わって綺麗さっぱり消滅したのは残念。



あと名古屋は何故かハ・チャンレがスタメン落ち。これも勝敗に影響を与えた気がする。和泉、河面の左サイドが今回は穴になった。ランゲラックが当たってなかったら、5失点くらいしていたかも。徳元が早く機能しないと、名古屋も残留争いに巻き込まれかねない。



あと広島は、これだけいいサッカーしながら目立たないのが非常に残念。もしJリーグにフロントやGMを表彰する部門があったなら、間違いなく広島が毎年のように表彰されるはず。それくらい優等生。Jリーグ初期、殆どのクラブがブラジル人選手、それも代表クラスの補強に走る中、広島だけはハシェック、チェルニーら東欧の選手を安価で獲得。監督もバクスターにヤンセンとヨーロッパから呼んで、ステージ優勝や天皇杯準優勝を達成。今では当たり前になった韓国やオーストラリア国籍選手の獲得も広島がJリーグで初めてだった。あと名古屋は95年にベンゲル監督やストイコビッチを中心にJリーグの話題をさらう素晴らしいサッカーを披露した。しかし、広島はその前からバクスター監督の下でそれを実行していた。その先見の明は凄いと思う。そしてヴェルディを始め多くのクラブが人件費のかけすぎで経営危機に陥る中でも広島は独自の路線で安定した経営。広島が経営危機に陥った話なんて、今まで聞いたことがない。Jリーグ初期から身の丈経営を貫き、2010年代はリーグ優勝を何度も経験。更にペトロヴィッチ監督は今でも日本で指揮を執り、OB選手は次々と優秀な指導者に。森保、高木、風間、森山、ハシェック…。それだけ人格者が多くいた。多分、広島を悪く言う人は殆どいない。しかしそれが、存在感の無さにも繋がっている気がする。別の言い方をすれば「アンチ」がいない。「憎らしいほど」と言われるものがない。FC東京がヴェルディに対して持つ感情と同じものを広島に持っているJリーグのクラブなんて、皆無だと思う。また野球なら読売ジャイアンツが他のチームから選手を強奪して、そこから因縁が生まれリーグが盛り上がる。しかし、カープもサンフレッチェもそういうことをしないから、そういった盛り上がり方も出来ない。あとバスケBリーグも、昨シーズンの覇者は広島ドラゴンフライズ。なのに全く話題にならない。これはもう土地柄なのかもと思う。2010年代なんてカープもサンフレッチェも黄金時代だったはずなのに、全国レベルで盛り上がることがなかったのは本当に残念。ついでに言えばお好み焼きも広島風は美味しいのに、人気は関西風の方が上。


というわけで、学校に必ず一人はいた「目立たないけど実はとてもいい子」みたいな広島。野球もバスケも含めて、みんなもっと注目すべきだと思う。


最後に、本田圭佑は相変わらずカッコ良かった。2005年に瑞穂で行われたヴェルディ戦。そこで彼のJリーグ初得点を目の前で観たことは密かな誇り。勿論当時は悔しかったけど。