経済的自由(エコノミックインディペンデンス)の効用 | 52歳で実践アーリーリタイア

52歳で実践アーリーリタイア

52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

アーリーリタイアするには経済的自由(economic Independence)が必要ですが、実は経済的自由は、アーリーリタイアが目的ではなく、本質的には「自分の行動の最適化」が目的です。

 

プラトン著「国家」において、ケパロスが

お金の所有の目的は誰かを欺いたり嘘をいったり、神にお供え物をしないままでいたり、あるいは人にお金を借りたままで、ビクビクしながらあの世に去るといったことのないようにすること。このことのためにお金の所有は大いに役に立つ

と言っているように、経済的自由の最大の効用は、人生において負い目を感じることや理不尽な行動をとる必要がなくなることです。

 

 

 

仕事をしていれば、もちろん良いこともたくさんありますが、嫌なことももっとたくさんあります。私の場合は人生のスケジュールに自己決定権がないことが仕事をしている上での一番の苦痛でした。当然ながらお客様優先・お取引先様優先・上長優先・会社スケジュール優先となります。自分が本来やりたいことは決して優先できません。全て仕事優先。

 

他にも一般的には

「嫌いな人とも付き合わなければいけない」

「おかしいなと思ったことでも会社に従わなければいけない」

「ノルマを達成するためには本当はお客に不利だと思うことでも商品を勧めなければいけない」

「ライバルに先んずるために、本来したくない行動もしなければいけない場合がある」

 

特にメンバーシップ型雇用の企業に勤めてしまうと、民主主義社会で生活しているといいつつ、年間労働時間2,000時間はもちろん、プライベートでも会社の方針に寄り添った人生を歩まざるを得ません。勤務場所も業務内容も自己決定権はなく(最近だいぶ緩和されてますが)、まるで独裁国家で生活しているよう。完全に勤め先(独裁国家?)のいいなり人生です(その代わり、定年まで働けば企業年金含めて一生会社が家族の面倒をみてくれます=まるで社会主義?)。

 

また、中途退職すると金銭的に損する人事制度になっているので、よっぽどでないとやめられません。多分50歳以上にならないと自分の仕事に見合った給料は取り返せないような制度設計になっている企業がほとんどではないでしょうか。

 

ちなみに体育会系がメンバーシップ型大企業で好まれるのは、彼ら彼女らが理不尽への耐性に強いからです。

 

一方で、ジョブ型雇用の先進企業や中小企業に勤めれば、よっぽどの実力者でない限り解雇前提の雇用不安に常時襲われます。成果を出さなければ収入や評価に直結するので、プライベートの時間も常に仕事脳のままかもしれません(こっちは経験ないので想像です)。

 

経済的自由を達成すれば、仕事を続けようが続けまいが「理不尽なこと」をする必要がなくなります。仕事を続けたければ、仕事内容や勤務先を特定できるジョブ型企業に転職し、合わなければ退職して、また自分の気に入りそうな仕事を見つければ良いだけです。

 

したがって、人生を楽しむためには「できるだけ早く経済的自由を手に入れること」が肝要です。

 

*フランス人のように、ある程度働いたら退職して貯金と十分すぎる失業保険で生活維持し、長期の海外旅行に行ってもいいですね(コロナ禍が収束すればですが)。そしてまた新しい職場に転職すれば良い。そんな人生の方がよっぽどいい。

*NZ:プカキ湖