異常気象と人類の選択 江守正多著 読了 | 52歳で実践アーリーリタイア

52歳で実践アーリーリタイア

52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。


自然科学者らしく、エビデンスに基づいて地球雨温暖化がどの程度進んでいるのか?何が確からしくて何が不確かなのか?様々な要素が絡んでの結果としての気候なので、予測は困難を極めるが、それでもどの程度の確率なのか?を前提に確実に人為的要素によって地球は温まりつつあるというのが理解できる書籍。


トランプ大統領がパリ協定から離脱ということで、アメリカは共和党支持者の地球温暖化懐疑派、民主党が地球温暖化対策派に分断されているが、トランプ大統領の発言をみると、地球温暖化が人為的かどうかというよりも「環境問題への対策にはお金がかかりすぎて費用対効果がない」というように聞こえる。

本書は地球温暖化に関して著者がこの時点で言えることは以下2点とのこと。

①温暖化論が間違っている可能性はゼロではない。しかし、間違っているという証拠は今のところない。

②温暖化論が正しいかどうかわからないというのは自然である。しかし、温暖化論が間違っているに違いないと断言する人は不自然である。

つまり著者にしても「温暖化していないという証拠がない」というレベル。

本書の内容は著者曰く「2013年:IPCC第5次報告書」の前の段階ということで、だいぶ温暖化に対する本書のトーンは低い。

第5次報告書では以下の通り、ほぼ間違い無いというレベル。
◼️人間活動が20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な要因であった可能性が極めて高い(可能性95%以上)
◼️大気中の二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素は、過去80万年間で前例のない水準まで増加している

これも年々コンピュータの性能も上がってくるので今後もその確実性は上がってくるでしょう。

海水面の上昇など、本当ににリスクの高い問題については、費用対効果に鑑みて早々に対策しておくほうが良いと思います。