なぜ女と男がいるのか? | 52歳で実践アーリーリタイア

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52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

なぜ女と男がいるのか?

生物学的には女性がデフォルトなので女性を先にした)

は、キリスト教をはじめ色々な説があると思いますが一般に進化生物学では、無性生殖よりも有性(=オスとメス)生殖の方が

「多様性が維持できるので生き残る確率が高くなる」

というのがその理由だと思っていましたが、もっと別の理由があるというのです。

「心のしくみ」下巻によると





生物は現在生き残っているというのは、すでにその環境に適応しているわけで、子供が産めるメスが無性生殖でどんどん子孫を増やしていった方が合理的・効率的。子供を生まないオスをわざわざ作ったら、繁殖生産性が半分になってしまいます。

すでに環境に適応している生物が有性生殖をしてランダムな遺伝子の子孫を作る行為は、よくなるよりも悪くなる見込みが大きいので環境の変化に適応するためではない。

一見非効率にみえる有性生殖があるのは寄生者や病原体に対する防御が目的(ジン・トウービー&ウイリアム・ハミルトンの説)。

人間を事例にあげれば、我々の身体にはそもそも免疫系システムが備わっていて体内に侵入してくる寄生虫や病原体と日々戦っている。ただし病原体はもともと数が多く世代交代も驚異的に早いので進化が早く、宿主の一生の間にあっという間に免疫システムを崩壊させる。

無性生殖であれば、病原体が適応した身体をそのまま子孫につなげていってしまうのであっという間にその種は絶滅してしまう。

ところが有性生殖では、また一から新しい遺伝子の身体になるので、病原体もまた一からその体に適応するよう進化する必要がある。

こうやってみると1個体当たりの寿命が伸びることは病原体の適応度が高くなるということだから、その種の生き残りにとって寿命が長いというのは決して有利な要素ではないんですね。

盲目の遺伝子にとって我々個人の個体が生き残るのは二次的な目的であって、一次的には遺伝子が後世まで残っていくこと。女と男がいるのはその重要な機能に一つということです。