「ギリシャ危機の真実(藤原章生著)」を読み、発展途上国と先進国の違いについて想う | 52歳で実践アーリーリタイア

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52歳で早期退職し、自分の興味あることについて、過去に考えたことを現代に振り返って検証し、今思ったことを未来で検証するため、ここに書き留めています。

ギリシャ危機の真実を、学者から庶民まで、複数のギリシャ人に取材しながら、これまでの歴史の経緯を踏まえて、簡潔に記した良書。

段落も多く、さらっと読めてしまう本ですが、引用をたくさんしたくなるほどの充実した中身で、ギリシャ危機の真相を知りたい人には必須の書だと思います。

中でも興味深いのは、ギリシャは、各種統計に関する国家としてのガバナンスがほとんど働いていないこと。つまり、ギリシャから出てくる統計数字は、全く当てにならないということ。

ウソの数字を作って、EUにも加盟してしまったほどの国です。つまり見た目真っ当な先進国に見えるギリシャも、中味は発展途上国と大して変わらない、悪い意味でのいい加減な国。

私の思う先進国と発展途上国に違いは、第一に衣食足りているかどうか、そして第二に国家・民間の双方とも、その社会においてガバナンスが真っ当に働いているかどうか、だと思う。

闇経済がはびこる、統計数字は信用できない、コネ社会、賄賂社会で、個人の能力・実績とその報酬・対価が比例していない、といった状況の国家は、ガバナンスが働いていない、つまり、先進国ではないということ。

ギリシャはそんな国で、やはりEUに加盟させること自体、時期尚早だったと思わざるを得ない。