それほどジグソーが好きだということもないのになぜ彼らのことを書いてきたのかは、実力がありなからジグソーがあまりにもマスカラスの付属品の如く扱われているからである。
日本では仮面貴族ミル・マスカラスのテーマ(写真 左)として有名なこの曲が、実は映画の主題歌だということは、最近はだいぶ有名になってきたとはいえ、まだまだ浸透してるというには程遠い。
ジグソーは、1960年代後半に英国で結成されたグループで、『スカイハイ』がヒットする75年まで1曲もヒット曲がない。
しかし、「真面目にやってりゃ誰かが見てる」とはよく言ったもので、この年(1975年)彼らの元に作曲以来が舞い込んだ。それが、オーストラリア=香港合作の映画『スカイ・ハイ』の主題歌だ。
この時、ツアー中だった彼らだがギャラの良さと制約が「3分以内の楽曲でお願いします」という簡単なものだったために依頼を引き受け、軽い気持ちで作ったという。しかし、その軽さが幸いしたと同時に3分というコンパクトさと覚えやすくて楽しい楽曲、サウンドの小気味良さが受け、ラジオのDJ達が気に入って、彼らが番組でヘビー・ローテーションしまくってくれた。
結果、それが発火作用となり、『スカイ・ハイ』は全米3位、英国でも9位まであがり、更にオーストラリア、ニュージーランドなど各国でも1位を獲得。
レコードは世界中で売れまくって最終的には1300万枚を越えた。
彼らは勢いに乗り始め、遂にアルバム制作の契約を取り付ける。
それがこのアルバム『スカイ・ハイ』(写真 中央)である。
アルバムは、全曲オリジナルでポップ・アルバムとして楽しい曲、聞き応えのあるバラードと捨て曲なしのいいアルバムなのだが、勢いは急激に失速し大したヒットとはならなかった。
なぜか?
それはおそらく映画のせいではなかったのかと考えられる。
曲はよかったが映画があまりにもショボかった(写真右がパンフ)ために、【ジグソー】に妙なマイナー感を与えてしまった。だからシングルのみの大ヒットに止まった。
そんな気がしてならない。
10年ほど前に紙ジャケにて再発されたが、今は手に入りにくくなっているジグソーのアルバム。
内容は聴きやすく、特に女性は気に入るのではないでしょうか。
映画はオススメいたしませんが、このアルバムはオススメです。
余談ですが、「スカイ・ハイ」は、世界中でヒットしている頃には日本ではスマッシュ・ヒットにとどまり、マスカラスがテーマとして使用しはじめた77年から再注目され、ジャケット(最初のものはイラスト)をマスカラスに替えて再発したところオリコンで2位まであがり、洋楽としては異例の60万枚の大ヒット。
当時のマスカラスの人気ぶりが伺えます。
と、こんなことを書くからマスカラスの付録になっちゃうんだよなぁ
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