海外駐在経理部員の仕事 8 監査対応
海外駐在している経理部員はどんな仕事をしているのか、という話です。
今回は監査対応です。
日本の親会社が上場しているため四半期に一度業績の開示が必要です。
開示のための情報を親会社はグループ各社から集めています。集めた情報は一定以上の規模の会社については、現地監査法人の監査済みでないといけません。
現地にいない日本親会社の監査法人でグループ会社の財務数字が正しいのか監査するのは現実的に難しく、現地の監査法人の監査が必要です。
この現地法人側の監査対応です。
私の駐在している法人では基本現地スタッフが監査対応しています。
会社の見込みとか、管理会計的なところで事業ごとの前年同期比の増減理由とかは聞かれます。
そのぐらいであとは基本現地スタッフがやってくれます。
たまに、この科目が増えているのかor減っているのはなんでだ?とか聞かれます。
また、ちょっとややこしめの取引とかあれば私が入って説明したりします。
このほか、日本に出す財務情報の入れるフォーマット(パッケージ:PKGと言います)のチェックをしてくれるので、そのデータの質問とか受けます。
連結とか開示とかって現地スタッフはやったことがないので勘がないので、質問のポイントとかわからないことが多いのです。
監査ってポイントを押さえて回答しないとどんどん追加の質問が出てきて、深みにハマることがあります。
開示とか連結とか決算、そして監査対応の経験がある程度あると最低限の回答で終わります。
多分、現地スタッフで処理している監査対応の量とか範囲がだいぶ広いと思います。
というのも、うちの監査法人が完全にローカルのところで、監査スタッフやマネージャ、パートナーに日本人がいません。
親会社と同系列の現地監査法人を使っていたり、4代監査法人(KPMG、PWC、E&Y、デロイト)だと、日本人窓口があったりして、ちょっとややこしいことがあるとすぐに日本人駐在員に質問が来ることがありますが、うちはそういうことはないです。
日本でも海外でも一緒ですが、監査は準備が全てで、事前に揉めそうな会計処理について相談しとくとかしとくとスムーズに行きます。
一つアメリカで驚いたのは、監査スタッフの入れ替わりがめちゃくちゃ激しいことです。
私が日本にいたころは、監査スタッフの変更って1年に一人ぐらいだったと思います。
アメリカでは、スタッフは四半期で入れ替わり、マネージャも1年で入れ替わる。
なので、毎年完全に新しい監査スタッフの対応が必要です。
うちがどういう会社でどういう取引していて、どういう会計方針で、どういう勘定体系で、どういう時にどういう勘定使うのとか、全部一から説明が必要でめっちゃ面倒くさいです。
しかもスタッフはほとんど大学卒業したてという感じの方が多くて、原価計算などの初歩的なことから説明が必要です。面倒臭いです。
他の国も同じような感じなんでしょうか。