海外駐在員の配偶者は仕事をしていいのか 個人所得税

 

今、海外駐在員の配偶者の方がパートナーの海外駐在員中に仕事をすることを会社が許してくれないということでちょっとバズっています。(?)

仕事をしていいのかどうかは2つの面があると思います。

一つは、法律的にアメリカで就業できるのか、二つ目は駐在員の会社が配偶者の就労を許すのかという側面です。

 

1つ目については、多くの駐在員が持っているLビザ、Eビザの配偶者ビザは就労許可証なしでアメリカで働けます。数年前まで就労許可がないと働けませんでしたが、今は働けます。

 

問題は2つ目ですね。駐在員の会社が配偶者の就労を目止めないケースが結構あるらしいです。

私の妻はアメリカの現地の会社に就職しています。私の会社は配偶者が私の駐在中に仕事をすることを禁止していません。

会社が駐在員の配偶者が仕事を許さない理由はいくつかありますが、バズっている方の場合、会社が配偶者の税金を負担できないということのよう?なんです。それだけではないと思いますが、パッとX見たらそんな感じでした。

 

前提として、海外駐在員の給与は手取り保証、つまり税金や社会保険料を抜いた手取りの金額を一定にするように額面の給与を決めることが多いように思います。

また、アメリカでは駐在員と配偶者の方の所得税申告(Tax Return)を個別にではなく、一緒に計算して一つのTax Returnとしてやることが多いです。このため、配偶者の方に所得が発生するとその分の税金も会社が負担する論理みたいです。

 

会社によるかもしれませんが、これはおかしな論理に感じます。

なぜなら、まず、駐在員のTax Returnは自分でやるのではなくて、会計事務所など外部に委託します。税金の知識がない駐在員が自分で米国の個人所得税法を理解して情報を集めてややこしいTax Returnの計算、書類準備するのはほぼ不可能です。

そして、委託先が駐在員の給料に対する税金と個人の所得に対する税金を分けてくれます。

これは当たり前でアメリカの預金金利にも税金はかかりますし、アメリカで株を買っていればその売却益や配当にも税金はかかります。

また、アメリカではアメリカ以外の国で発生した所得にも税金がかかります。つまり日本で株や不動産を持っていてそこから配当や家賃収入があればそれにもアメリカで税金がかかるということです。日本の銀行預金の金利にもアメリカで税金がかかります。(普通の人は無視できるぐらいの金利ですが。。。日本でかかっている源泉税はアメリカで控除できるはず)

要は結構多くの駐在員は給料以外の所得があり、会社がこのような個人所得の税金を負担する理由はないので、この分は個人負担になるはずです。

 

なので、配偶者の所得が増えてもその分を個人負担にすればそれでいいだけでは。

会社としては配偶者が働いて欲しくない理由が色々あるんだと思うんですが、少なくとも税金はほとんどのケースで理由にならないと思います。

 

駐在員配偶者の就労働は、昔は一般的なケースではないようですが、今はそうでもなく、リダックという会社が駐在員配偶者向けの仕事のマッチングやり始めるぐらいなので、世の中には商売にするぐらい需要があるんですね。