マイナス金利政策の解除が与える影響 | あすくまblog

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  マイナス金利政策の解除の概要

 

日銀は2024年3月19日(火)、金融政策会合にて「マイナス金利政策」を解除し、金利を引き上げることを決めました。

2016年1月の導入決定以来、8年ぶりの金融緩和策の変更となります。

 

具体的には日銀当座預金に適用する金利を0.1%にすることで、金融機関どうしが短期市場で資金をやり取りする際の金利「無担保コールレート」を0%⇒0.1%程度で推移するように促します。

 

加えて長期金利についても低く抑え込んできた長期金利操作(イールドカーブ・コントロール)と呼ばれる金融政策を終了します。

 

 

  マイナス金利政策の解除が社会に与える影響

 

一般的に影響が出る分野としては、以下が考えられます。

 

  1. 住宅ローン(変動型金利の場合、利率上昇へ)
  2. 預金金利(利率上昇へ)
  3. 円相場(円高へ)
  4. 企業の資金調達(変動型金利の場合、利率上昇へ)

 

この内、「4.企業の資金調達」に関連して、財務会計の典型論点に与える影響を考えていきます。

 

 

  マイナス金利政策の解除が財務会計に与える影響

 

マイナス金利政策が解除されると国債の金利も上昇することが予想されます。

財務会計では国債などの安全資産の利率を使用して計算を行う典型論点が存在するため、それぞれの計算結果に影響を与えることになります。

 

具体的には以下の典型論点に影響があると考えられます。

 

  1. 退職給付債務の算定(現在価値に割り引く際の利率が上昇するため、退職給付債務の額は減少)
  2. 資産除去債務の算定(現在価値に割り引く際の利率が上昇するため、資産除去債務の額は減少)
  3. 固定資産の減損の算定(現在価値である使用価値に割り引く際の利率が上昇するため、使用価値の額は減少。減損を認識し、かつ回収可能価額として使用価値が使われる場合は、減損される金額は増加)

 

 

以上