ピーンと張り詰めた空気の中、玲奈が口を開いた。
玲奈)「私がこの村にきて25年経ちました。気づいたら今の力があって、気づいたらこの仕事をしていて…今まで言われるまま行ったり来たりしてました。」長老は目を閉じて黙って聞いていた。
玲奈)「千秋さんが亡くなるまでは…長老覚えてますか?最後の言葉…」長老はゆっくり目を開けたが口をひらくことなはなく、玲奈は続けた。
玲奈)「息子に生きていたことを教えてあげたかった。帰れない事は自分が選んだことだけど謝りたかった。伝えて欲しいけど掟なら仕方がない、それだけが無念って。その言葉を聞いて私が何かして上げれば…」と涙ぐむ玲奈。
長老)「仕方がないことだ、それが掟だ。玲奈は何も悪くない。もし何かしようとしたらそれは玲奈、お前のただのえごだ。これ以上何かしようとしたらどうなるかわかってるな。」と、厳しい顔をして玲奈を見つめる長老。そして真っ直ぐ長老をみて玲奈。
玲奈)「はい。わかっております。氏神様のお怒りをかい、私は命をたつことになるでしょう。それでも私は構いません。」あまりにも真剣な眼差しに
長老)「勝手にするがよい。だが私はお前を助けることはしない。運命はお前が決めろ。」と店を出ていった。