真那が言うとおり、珠理奈マッチポイント、玲奈セットポイントが続いた。
でも、このセットは玲奈が粘って取った。
しかし玲奈も珠理奈も体力的に限界だった。そのため次のゲームで最終ゲームとなり、アドバンテージ制はなくもし40-40になった場合は次に取った方が勝ちという風に決まった。
ただ玲奈は脚の違和感が痛みに変わっていた。
珠理奈も体調が急激に悪くなっていった。
亮)「もう止めよう…これ以上は無理だ!」
珠理奈)「お兄ちゃん私は止めないよ!これは自分との戦いなんだ!」
玲奈)「そう!自分との戦いなんだ…」2人の熱い気持ちと真剣な想いが痛いほどわかりもう何も言えなかった。
このセットも一進一退でついに次の点で勝負が決まるところまできた。
珠理奈がサーブを打つ!
珠理奈)「あっ!しまった…」と甘いコースに
玲奈)「もらった…」そう思って決めにかかったがその瞬間脚がつり、力が入らず振りぬいたはずの球はネットに当たった。
玲奈)「超えて!」しかし無情にもその球は玲奈のコートに戻ってきた。その瞬間玲奈も珠理奈も精根つきたように倒れた。
玲奈)「珠理奈~」そばに駆け寄った真那の肩を借り珠理奈のそばに駆け寄った。
玲奈)「珠理奈、大丈夫?病院行く?」
珠理奈)「お姉ちゃん…大丈夫だよ!ヤッパリお姉ちゃんスゴいよ…」
玲奈)「私の負けよ…珠理奈には勝てない…」
珠理奈)「脚さえ平気ならあれはやられてたよ!だから…負けたくないから引き分けね!」と言いながら気を失った。そしてそのまま病院に運ばれた。
医者からは全員こっぴどく怒られたが、意識が戻った珠理奈はあっけらかんとしていた。
珠理奈)「お兄ちゃんはこれからもお兄ちゃんでね!だけど私お姉ちゃんを好きになったかも!」
玲奈・亮)「えっ!?」
珠理奈)「冗談だよ!でもお兄ちゃん、約束して!お姉ちゃんを苦しめたり、泣かせたりしちゃダメだよ!」そんな言葉を聞いて私は無理やり笑顔を作った。
この日から珠理奈は入退院を繰り返した。
ドナーはなかなか見つからず珠理奈の命の期限が迫ってきてることは珠理奈本人も含め私達はわかっていた。
抗がん剤も使い始め毎日毎日ツラいはずなのに珠理奈は明るい笑顔でみんなと接していた。
そんな時抗がん剤での副作用で髪の毛がぬけ始めた。
そんな時も珠理奈は笑ってこういった。
珠理奈)「面倒だから坊主にしようかな~」