人工血管て何? その15 人工血管の本質8 | 日々是シャント 〜群馬のシャント専門医のブログ〜

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ePTFE製人工血管を体内に移植・・・といっても、皆さんには人工血管を移植するイメージが沸かない人が多いと思います。

これはズバリ

皮膚の下にトンネルを掘ってそこに人工血管を通す

二カ所皮膚に切開を加え、穴同士をトンネルする筒でつなぎ、その筒に人工血管を通します。

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実際の写真もあるのですが、インパクトが大きいかもしれないので今回はやめておきますが、
局所麻酔でも十分効いていれば、それほど痛みはありません。
これは、皮下組織、脂肪などの比較的ルースな組織をトンネルするからです。

ここからが大事なところです。

トンネルでできた穴に通されたばかりのePTFE製人工血管は、最初は周囲の組織とくっついてはいません。(癒着していない、ということです)

ということは、移植した直後の人工血管に体の外から針を刺すと、
前回お話ししたようにePTFE製人工血管自体には止血効果がないため、血が止まらなくなってしまいます。