質問Q&Aシリーズも3回目になりました。ご好評をいただき感謝しております。
それではいってみましょう!
《えがお》の海外透析予約代行 さんからの質問です。
Q.初めてのシャント手術後に「毎日清潔にするために消毒(アカチン)塗ってください」と言われたのですが、2回目の手術の時には「感染しやすいので、あまり包帯を取らないで」と言われたのですが、どちらが正解なのでしょうか??
A.非常に良い質問ですね!
実はこれは、シャントの問題ではなく、創傷治癒・創面管理の問題なのですね。
この分野は進歩が著しく、トレンドが年々変わっています。
キーワードは、
消毒液は粘膜を傷害し、治癒を遅らせる危険がある
ということです。
一昔前は、手術の傷は毎日消毒して創を消毒するのが一般的でした。
現在も、創が落ち着くまでは毎日観察しますが、あくまで感染していないかとか、皮下出血になっていないか、などの確認をすることが目的です。
当院では、翌日に手術のガーゼなりを交換します。その時に問題が無いことを確認できたならば、その後はガーゼが汚れなければそのままにしておきます。
今後も指針はどんどん変わっていくことが予想されます。
ただ、今後は前のようにシャント手術後に毎日消毒に外来通院してもらう、なんて頻度はどんどん減っていくことでしょう。
以上より、質問の後者の方が、現状の考え方にマッチしている、といえます。
続いてmo∞mo さんからの質問です。
Q.透析してるひとはなぜ全身痒くなるんですか?また皮膚も黒くなるのですか?…
かゆみの原因はすべてはハッキリとわかっておりません。
皮膚が黒くなる原因もハッキリとはわからないと思います。
これは透析専門内科医師のほうがきちんとお答えできるかもしれませんね・・・
一つ言えることは、
透析で血液を洗浄しても、洗いきれず残ってしまう物質はそれなりに必ずあります。
その物質が長期間透析をすることで体内に蓄積され、かゆみや皮膚変化につながる、と言われています。また、皮膚の湿潤状態が変化することもかゆみの原因となっています。
生体腎移植では、移植した当日から滝のように尿が出るのですが、凄いことに
手術した翌日には黒かった顔が白くなっている!
ことです。
またかゆみも急激に改善し、汗腺が復活するのか大量の発汗も見られるようになります。
現在、長時間ゆっくり透析がこれに一番近いと考えられています。可能であればおすすめしたいところです。以前紹介した教科書に詳しく書いてあるので参考にしてくださいね。