シャントって何?なに? その④ 脱血のきほん#3 動脈について | 日々是シャント 〜群馬のシャント専門医のブログ〜

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ではここで腕の断面図を見てみましょう。

$日々是シャント  ~群馬のシャント専門医のブログ~-動脈横断

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この絵はシャントを理解するためとっても大切です。拡大して何度も見てください。




一番外側の円は皮膚です。

皆さんが外から見たり触ることのできる血管、静脈(あとでお話しします)は、
皮膚の直ぐ下にある青いマルです。
Vein から V と呼ばれます。

皮膚の直ぐ下にあるので皮下静脈といいます。

よく血管が発達している人とかいますよね~

あれは、この皮下静脈が発達しているのです。

それと、皮膚と後述の筋膜の間を皮下といいます。読んで字のごとく、皮膚のした、という意味です。



皮膚と皮下の下には筋膜という厚い膜があります。

この更に奥に、動脈があるのがわかりますね。
Artery で よく A と言われます。

動脈のそばには、
太い神経、静脈(深いところにもあります)
あとは筋肉と骨があります。




動脈って体の外からバクバク触るのにとても深いですよね!

これに針を刺すことは

難しい
痛い


さらに問題なのは、穿刺に失敗した時…

漏れた血液が、逃げ場のない筋膜の下で、まわりの神経を押しつぶしてしまう

ことがあるからです。

$日々是シャント  ~群馬のシャント専門医のブログ~-動脈もれ

皮下の血腫ならよほど大きくない限りは問題ないこととは大違いですね。

以上の理由から、事情がない限り、ずっと動脈直接穿刺を繰り返すことはおすすめできません。