表在化動脈にできた瘤の破裂で大出血② | 日々是シャント 〜群馬のシャント専門医のブログ〜

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透析用バスキュラーアクセス(いわゆるシャント)専門医が日々の透析からシャント、アクセスそして腎移植までの相談内容を分かりやすく?詳しく紹介していくブログです。

手術内容を、止血、血行再建に分けて行いました。

まずは消毒もそこそこに止血術を開始。

$日々是シャント  ~群馬のシャント専門医のブログ~-バイパス2

さすがに写真を撮る間がなかったので手術前の写真で代行します。

出血している動脈の穴を挟むように、動脈を遮断します。すると穴に流れる血流は無いはずですのでまずは止血OKです。

ここまでが前半。

次に穴を縫い合わせそうにないので、動脈をしばって潰したままだと指先に行く血液量が減少してしまいます*。

このため人工血管で穴をバイパスします。そうすれば抹消へも十分に血液が流れることでしょう。
それに、人工血管を穿刺していずれ透析も再開できます。

人工血管はしっかりと消毒して手術したいので、ここからを後半としました。



*文献的には大概は問題ないのですが、この方はもともとの血流量が弱かったので、新たに血液の流れる道を作らなければなりませんでした。