①出口の狭窄部を解消する
これはPTAがメインの治療です。
さて、こちらは別の患者様ですが、同じように右手の腫れが強くありました。

こちらも心臓に入っていく直前の血管に高度の狭窄がありますね。
CTで見ると

となっています。
ここをPTAでのバルーンで広げてみます。
ちなみにシャント血管の拡張では、狭窄の度合いが強かったりすると、バルーンで広げたときに
血管が破けます
ちなみに、血管がパーフォった、などと言います(パーフォレイション、破裂の意味)
ちなみに皮下血腫ができてしまった場合、ヘマった(ヘマトーマ、血腫の意味)とも言います。
シャントは表在血管ですので、例えパーフォったとしても、対処法はいくつもあり、余程のことがない限りは大きなトラブルになりません。
しかし、今回のような中心静脈狭窄の場合、破裂してコントロールできなくなった場合には緊急手術(開胸、全身麻酔)となってしまうので、決して無理はしません。
ですので、拡張するときは慎重に慎重に…
えいっ

ヒヤヒヤです
(^▽^;)
無理して全開で広げませんでした。
それでも

結構広がります。
上肢の腫脹もかなり改善します。
破裂さえしなければ、まずまず安全な方法と言えます。
ただしこの方法、重大な注意点があります。
それは、数カ月で再発(再狭窄)してしまう
ことです。
もともといろいろな原因があって狭くなったところを、無理に押し広げる治療です。
場所によっては、狭くなる癖が付いているところもありますし、
血管が限界なこともあります。
とくに、このような中心静脈(心臓に近い太い血管:首都高とかのイメージ)の狭窄は、再発しやすいです。
数ヶ月おきにPTAを繰り返す必要があります。
もっとも、これはすべてのアクセスにも言えることかもしれません。
それでも、切ったり貼ったりしないこと、現在あるアクセスを活用できることから、いい治療法のひとつと言えるでしょう。