目的は
①シャントのコブを取る
②シャントを使えるようにする
①に関して、取るだけであればいかようにもやり方はあります。ただ、②あくまでシャントとして使用できなければいけません。
すでに破裂している、皮膚が壊死している、などの緊急事態であればできることはどんどん限られ、安全第一にならざるを得ない状況になります。
まだ余裕がありますので、じっくり考えたところ、
今のシャントを潰してからコブを取るほうが安全
幸い、すぐ上で作り直せることができ、血管の無駄遣いをせずに済みそう
と判断しました。まとめるとこのようになります。

イラストの数字と合わせてみてください。
①コブの入り口と出口を確保し、コブから出血しないようにする
(シャントの閉鎖)
②息の根を止めたコブを安全に取り出す
③コブをとったところはシャントとして使用しにくいので、新たに中枢よりでシャントを作成する
実際の手術で、コブを出したところです。

血液が充満しているので大きく見えます。ふたコブですね。
とってしまうとフニャフニャになってしまいます。

手術翌日の出来上がりの状態です。

上の皮膚切開は新しくシャントを作成したとこと、下の皮膚切開はシャントのコブをとったところです。
これで、穿刺部位はこれまでどおり、手術翌日から透析が可能で、すぐにご退院いただけました。
今回は局所麻酔で行いましたが、コブの大きさや性状、破裂の危険性などを考えて全身麻酔などを行うこともあります。
以上 シャント瘤の治療でした。手術の写真がうけつけなかった方はごめんなさい。