表在化動脈について
お話ししていきます。
動脈表在化手術とは、
通常は透析のアクセスとして使用できない、深いところにいる動脈を、浅いところに持ち上げる手術です。
シンプルですが、スティールや静脈高血圧、シャント閉鎖などの合併症が存在せず、返血静脈さえあれば良い方法の一つです。詳しい説明はここでは避けます。
さて、この患者様は夕方私のところに腕が腫れて痛い!とのことでいらっしゃいました。
朝からの透析で、その時から腕の腫れが気になっていましたが、だんだんとひどくなってきたとのこと。

表在化された左上腕動脈への穿刺部付近を中心におそらく鶏卵大位の腫脹、皮下血腫による色調変化と、
さらに上腕での皮下血腫によると思われる腫脹の強い状態でした。
ここまで一貫して体外への出血はなかったようです。
まとめると

指先のしびれ、痛みなどのコンパートメント症状(神経を血の塊が圧迫して起こります)や、
皮膚の緊満による壊死兆候などは認められず、もし血腫拡張傾向がないならこのまま経過観察でも…と思ってエコー(超音波検査)を当ててみたところ…