



左側の写真では、高速道路が途中で無くなっていますね。
また右側の写真からは、ほぼすべての血流が逆走しているのみならず、下道におりて蛇行しているのがわかります。
つまり、高速道路が無くなってしまっていました。
最初から存在したのかどうかはわかりません。
ただこの患者様は、このシャントを他施設で作って一ヶ月で私の所へいらしたので、もしかしたら最初から高速道路になりうる血管がこの手にはなかったのかもしれません。

(A)川越インターで高速道路が完全につまっているならば、その先の(B)所沢インターを新しく作成してあげれば高速道路は流れます。穿刺範囲が狭くなるのはやむを得ないでしょう。
しかしこの方は(B)付近で高速道路を新たに作ることのできる血管が無いためこの方法は不可能です。
非常に残念ですが、この患者様は、左手にシャントを作成し直すことは諦めました。
かわりに、右手の血管が非常に発達していたため、コチラの右手で新しくシャントを作成しなおし、左手のシャントは閉鎖しました。
新シャントは穿刺も良好で、旧左シャントで何回も穿刺に失敗し透析が怖くなっていた患者様にとってはとても好評でした。また左シャントを閉鎖することで、下道を車が沢山走って渋滞していたために生じた左手の腫脹およびソアサム症状は消失しました。とても満足していただくことができました。
ただ長い目で見れば左手でのシャント作成の機会が減ってしまったことに違いはありません。
今後は右の新シャントをPTAなどでお手入れしつつ大事に使っていきましょう。
以上 ソアサム症候群の治療でした。
いつも長文にお付き合いいただき感謝しています。