2011年9月23日(金)

台風12号(TALAS)は8月30日の降り始めから9月5日まで国土交通省・大台ヶ原観測所が記録した2,439mmを筆頭とする集中豪雨で紀伊半島に甚大な被害をもたらした。
国道309号線・行者還林道も例外でなく、天川村側は大川口西方約500m地点で崩土が発生し、白倉出合より東側が通行止。熊渡からの弥山川ルート、或いはカナビキ尾根を登る手もありますが、白倉出合から熊渡までの間、約1.5kmの歩行可否の確認が出来ていません。更に弥山川・カナビキ尾根の状況につきましては全く最新情報がなく現時点では入ってみないと分からないです。
また上北山村側からも、国道169号分岐~行者還トンネル中間地点で崩土が発生、全面通行止となっています。
従いまして、本来であれば弥山・八経ヶ岳への最短ルートである行者還トンネル西口からの入山が出来ません。

台風が過ぎてから弥山・八経ヶ岳が心配でならず、行きたくてどうしようもない。
考えられるルートを標準コースタイム+休憩1時間込みで
①前鬼から=19時間5分
②天川川合から=11時間55分
③和佐又山ヒュッテから=18時間20分
④(国道309号線を白倉出合から熊渡まで歩けると仮定して)弥山川ルート=13時間5分
⑤(国道309号線を白倉出合から熊渡まで歩けると仮定して)カナビキ尾根ルート=10時間35分
河川は相当な増水だったはず、弥山川はあまりにもリスクが大き過ぎる。
カナビキ尾根なら天川川合から歩くのと大差がないので敢えて通行規制区間に足を踏み入れることはないだろう。
前鬼・和佐又山共に日帰りするには、前夜寝ることも出来ず非現実的・・・
「やっぱりルート損壊もなかろう天川川合ルートが一番確実やなぁ。」

お彼岸中日、ご先祖様にご挨拶をして出掛けましょう!
久し振りの満天の星空~☆☆☆☆☆☆☆
最高の天気の予感;)
紀見峠・国道24号線和歌山奈良県境付近は13℃
大阪府八尾市の観測データによると、9月19日まで最高気温30℃超過、最低気温が20℃以下になったのは9月22日以降。
「暑さ寒さも彼岸まで」って良く言ったものだと感心させられます。
午前5時に天川村役場に着くが、ヘッデン点けて歩くまでもなく夜明けを待ちましょう。
午前5時29分出発です。天川健民運動場には台風の爪痕が・・・、「被災された方々が一日も早く日常を取り戻せますように。」
一番鉄塔から見下ろすと川迫川が何事もなかったように美しく流れています。
二番鉄塔正面には朝日に輝く稲村ヶ岳からバリコヤ谷ノ頭への稜線
振り返れば金剛山・葛城山
北東には洞川の集落
程なく坪ノ内林道と交差する。
ここまで車で入山すれば往復約2時間20分の短縮が可能であったが、この林道も被災して現時点では通行出来ない。
足を進めると右手方向に天和山、北東斜面が大きく抉り取られています
7時42分、栃尾辻非難小屋
「まだまだこれから、頑張ろう!」

ブナが美しい:)
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9時21分、高崎横手。「今日は右手、弥山辻方向へ!」
9時45分、日裏山。
東側に目指す弥山・八経ヶ岳・明星ヶ岳がでーんと!
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西側の展望
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遠方に雲が浮かぶが、大峰一帯は抜けるような青空だ!

帰りに下る尾根
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10時28分、弥山辻
抜けるような青空に覆われている間に八経ヶ岳に立ちたい!ほんの少しの時間ではあるが明星ヶ岳はお預け、先を急ごう!

歩いて来た稜線、奥には金剛山・葛城山。
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さぁ、八経ヶ岳山頂だ!
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本当にイイお天気~:);)
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最高の展望!
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遥か遠方、紀見峠越しに泉州~堺方面が見渡せます。
南側には、先月土砂降りの中歩いた釈迦ヶ岳への稜線が見えます。
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特別な頂に感謝!
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南東方向には深い奥剣又谷
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オオヤマレンゲ保護区域ゲート手前でシラビソが4本ほど根こそぎ倒れていました
台風12号で地盤が緩んでいたところへ続く台風15号の強風でなぎ倒されたのでしょう?

青空と秋風が心地良い。
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弥山に着いたとたんに頭上には厚い雲、八経ヶ岳にいた頃は遥か遠方だった雲がやってきたのでしょうか?
ここで腹ごしらえ。
弥山小屋玄関には「出掛けています。午後2時頃には戻ります。」とメモが貼られていますが・・・
「もし街へ下られているのなら、何処から行かれてるのか?」メッチャ謎です。

雲が増えて来ました。
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狼平へ下りましょう!
途中でも台風の爪痕、また鹿避フェンスには流されてきた大量の草木が引っ掛かってます
凄い水量だったんでしょう。

久し振りの狼平、いいとこやね~♪
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高崎横手へ向かう途中、振り返れば修覆山方面に見える、名があるのでしょうか?

P1518の巻き道、冬は巻けません。
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川合まで一息、頑張りましょう!
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この日は2011年2月19日(土)に続いて2回目の近畿最高峰を貸切、交通網寸断の影響でしょうか?入山から下山まで出会う人は全くいらっしゃいませんでした。
最高の大峰にありがとう!!!

コース設定
単純標高差=1,310m
直線距離(片道)=9.05km
実距離(往復)=24km
(※天川川合⇔坪ノ内林道交差点間は、余り利用されていないようで道幅も細く寂れた感がありました。)

コースタイム
05:29=天川川合
07:42=栃尾辻
08:22=カナビキ分岐(ブナの大広間)
09:21=高崎横手
09:45=日裏山
10:28=弥山辻
10:48=八経ヶ岳(着)
11:20=八経ヶ岳(発)
11:56=弥山(着)
12:34=弥山(発)
13:15=狼平
13:36=高崎横手
14:15=カナビキ分岐(ブナの大広間)
14:49=栃尾辻
16:29=天川川合
歩行時間:9時間50分+休憩時間等:1時間10分=合計:11時間
総撮影枚数=385枚

冬に向けて
先ずは国道309号線の一日も早い復旧を願います。
なんと言っても大川口から行者還トンネル西口経由で弥山・八経ヶ岳ピストンが日帰りが出来て且つ安全なルートですから。
復旧が遅れる場合は、積雪量にもよりますが、山中1泊は必須でしょう。
夏なら巻けるところも尾根越えで行かないといけないし・・・
1泊を避けるなら、山上ヶ岳・稲村ヶ岳・大普賢岳・前鬼側から釈迦ヶ岳に絞り込まないと仕方ないかと考えています。
初秋・快晴の八経ヶ岳スライドショー、2部構成でどうぞです。
往路編
復路編