まるで危機管理のなってない大学の危機管理学部で教授を務める西田もたまにはいいことを言うなと思いながら読んだ。
本稿で確認しておきたいのは、チームみらいの党議拘束をめぐる方針である。というのも、同党はマニフェストで、公約に掲げた論点には党議拘束をかける一方、「政策集でビジョンや政策をお示ししていない論点の法案については、党として原則的に賛否を拘束しない立場をとり、各議員の自由投票を認める」と明記しているからだ。
一見、争点特化型政党を標榜する以上、筋の通った運用だ。7月に採決された皇室典範改正案では、同党は党議拘束を外して自由投票とし、委員会採決では賛成・反対・退席に分かれた。
問題は、同じくマニフェストに書かれていない副首都法案について、同党が党として修正協議に臨み、統一して賛成へ回った点である。皇室典範は「書いていないから自由投票」、副首都は「書いていないが党として賛成」。この非対称を、有権者はどう理解すればよいのか。
まったく同感だ。
チームみらいは「デジタル民主主義」という、小さな声もテクノロジーで拾い上げて行けるような政治を目指す一点特化型の政党だ。その分特定のイデオロギーを持たず、マニフェストに無い争点では自由投票ということになっている。にもかかわらずこの副首都法案について「統一賛成」の姿勢を示したのは不可解だ。
チームみらいにはこのように、ある意味「党として統制のとれていない」所がある。いわゆる「政治家」が初めから存在しない党なので仕方の無い面でもあるが、反面非常に心もとない。このところ野党は、その無能さから与党にまんまと言いくるめられて利用されっぱなしの様相を呈しているが、チームみらいの不安定さも同様にリスクとなるのは確実であり、今後はその経験値をもって修正が必要だろう。
もう一つ、それとは別に単独の「副首都法案」に関する彼らの姿勢も非常に気になるところだ。危機管理の側面から見た首都機能のバックアップという点で、副首都について議論する価値はもちろん有って当然だろう。しかし、チームみらいが提言する「デジタル技術の活用」は、必ずしも副首都そのものの整備に直結するものではないはずだ。何故ならデジタル技術とはコンピューター技術と通信技術の融合技術であり、「どこか特定の場所」に縛られることの無い、いわば仮想空間での仕事を可能にする技術そのものだからである。
それを与党の推進する副首都法案、特に維新の主張する「副首都大阪」に引き摺られた「特定都市の機能強化案」に結び付けようとするのはいかにも無理筋である。本来であれば、仮に首都東京が甚大な被害を浴びて政府機能維持が不可能となった場合、日本の何処でもいいから仮設庁舎を設けて「人」の収容さえすれば、あるいはそれすら出来なかったとしてもPCやタブレットさえあれば、そこに映し出される仮想空間において政府機能の稼働が可能となるよう、そのインフラを整えるという方向性を示すべきだろう。
それをせずに与党の副首都法案に賛成するのは、本来のデジタル技術利用の未来から遠ざかる方向性を高め、しかも維新の恣意的動機である「しつこく大阪都構想を蒸し返す」意図を助長する展開にしかならない。この愚かな連中を利するようなヘマは、「立法府の総意」とかいう三流の手品に引っかかった事例に準ずると言ってもいいぐらいに、きわめて悪手だ。
ただ、現段階において政府機能の仮想化という概念そのものをチームみらい単独で政策化出来るのかと言えば、それはハードルが高すぎるというのも事実だろう。
だとすれば彼らにとってこのタイミングがその概念を宣伝出来る絶好のチャンスだったという見方も出来ないことはない。今後与党は恐らく大阪をプッシュして実装を進めたがるだろうが、その陰でチームみらいは機能の抽象化・仮想化を進める。
うまくすれば、例え副首都大阪がとん挫したとしても、逆に本当に副首都になって、でも蓋を開けたら「難解南海トラフで共倒れ」だったとしても、チームみらいの仮想化インフラがしっかり機能して散り散りになった官僚も普通に働ける未来が・・・なんて期待通りに行くとは、さすがに俺は思わないけどなw
まぁ失敗もあるだろ。ちゃんと反省してその度に方向転換することを学べばいい。どうせくだらないイデオロギーなんかに縛られずに済んでる若い党だ。中道みたいな取り返しのつかない過ちを犯す旧くデカい党に比べたら遥かにマシだよ。
