公然と言論統制が行なわれ、政権批判などすれば殺されかねないような国であっても、こんな風に言うべきことをハッキリと言える人物が存在するというのは本当に羨やむべきことだ。

 

 

 昭和天皇が主人公の「太陽」などで知られるロシア映画界の巨匠アレクサンドル・ソクーロフ監督が、プーチン露大統領も参加する会合で、当局による検閲を「深刻な問題」と批判した。言論統制が強まるロシアで公然と行った異例の政権批判が注目を集めている。 

 

 発言したのは9日の人権関連の会合だ。政府がウクライナ侵略を批判する個人や団体を、欧米のスパイを意味する「外国の代理人(手先)」に指定したことについて「人を辱める間違った決定だ」と非難した。プーチン氏は、制度は「乱用すべきではなく、慎重に運用する」と応じた。

 

 会合は国営テレビが中継していた。露紙コメルサントによると、ソクーロフ氏の発言は当初予定されていなかったという。ソクーロフ氏は、ロシア国内の現状について、政治などに関する「開かれた議論が欠如していることは、人々に深刻な打撃だ」とも訴えた。

 

 ソクーロフ氏はソ連時代から権力に抵抗しながら芸術性を追求した作品を発表し続け、ベネチア国際映画祭の金獅子賞をはじめ数々の受賞歴がある。日本を題材にした作品も複数あり、2011年には日本の旭日小綬章を受けている。

 

ロシア国内で、しかもプーチンの目の前で堂々と批判するというのが、いったいどれだけ大変なことか。

 

それはソクーロフ氏がその基本思想として、強権国家においても自由な言論と批判が行えることを、真に是としているからこそ出来ることであろう。

 

ロシアは自らのウクライナ侵攻を「国家の正義」と定めている。

 

故にそれを批判する個人や団体は、「(外国の)スパイ扱い」されることとなった。

 

ソクーロフ氏はそうした体制を指して「人を辱める(名誉を傷つける・汚す)行為だ」と非難したのだから、その振る舞いは明らかに反露と見做されるだろう。しかし彼は、それをも厭わないという姿勢だ。

 

翻って、我が国のバカウヨどものみっともない姿はいったい何なんだろう?

 

曲がりなりにも言論(表現)の自由が憲法で規定されている国家にありながら、高市を批判したというだけで「日本人じゃ無い」「中国の味方だ」などと恥ずかし気もなく言い放ち、スパイ防止法の策定を待望する。

 

彼らはロシアの体制と同じように、日中間のトラブルで政権を批判する者がみな「中国のスパイ」扱いされる社会を望んでいる。

 

ロシア中共大嫌いなはずのヤツらが、実は率先して同化したがっているという矛盾。

 

好き嫌いのみでモノを考え、ご都合次第で相手と同じ振る舞いに成り下がるヤツら。

 

やたら愛国なんてものを叫びたがるヤツらの真の姿がこれだ。

 

日本はロシアや中国のような国になりたくなければ、今すぐ国家予算を投じてソクーロフ氏の「爪の垢」を購入すべきだろう。