まさか区長が直々に「言い訳」に乗り出して来るとはなw
吉住区長は、Yahoo!に配信された当該の記事をリンクする形で「この記事のベンチは約30年前から近隣住民の要望を受けてこの形状になっています。ホームレス対策ではなく住宅地における夜間の騒音防止です。地元からの苦情はありません」と反論した。
まず「区民の要望を受けて」と言うが、その時点で区は「要望」ではなく「クレーム」と認識しているはずだ。「夜中に騒いでる奴がいてうるさい!どうにかしてくれ!!」と文句言われてるのだから当然だろう。そして、ベンチをこの形状にした結果区民からクレームが来なくなったのであれば、区としては意図した通りで万々歳ということになる。
が、そんな説明は簡単に納得の行くものでは無いな。騒音への対策がなぜ「このベンチの形状」になるのか。最初は「長居しづらいように」という感覚なのかと思ったが、
吉住区長は「座りづらいのではないか」との疑問に対しても「身長174センチのオッサンが座るとこんな感じです」と、自身が実際に現地へ行って座ってみた写真も投稿している。確かに寝るのは厳しいが、座るだけなら大丈夫そうだ。
区長自ら「座りづらくは無い」と言っているのだから、それもあまり説得力は無いだろう。
ちなみに区長の「座ってみた写真」というのがこれ。
写真忘れてました😱 pic.twitter.com/RiFARpvEwk
— 吉住健一(新宿区長) (@yoshizumi_ken) March 28, 2024
この写真から読み取れるのは、「別に座りづらくないどころか、読書するのに十分な時間座ってもいられるし、なんならお茶飲みながらゆっくり出来ますよ」という区長のアピールだ。
おそらく、「皆が座りづらくなるのでは?」という批判に対して取り繕う意図があったのだろうが、でもそれだと逆に「長居させないようにして騒音を防止する」という、自分が主張したはずの本来の目的がすっかり霞んでしまうではないかw
夜間の騒音問題は昔から日本中のあちこちで起きているはずだが、ベンチの形状によって解決出来たなんて話は聞いたことが無い。新宿区が30年も前からこの解決策で成果を上げているのだとすれば、同様の施策が他の自治体にもどんどん伝播されているはずだろうに、状況証拠としてその因果は果たして存在するのだろうか。アーチ型のベンチが「大して座りづらくもない」というのなら、缶ビール片手に大声でくっちゃべる酔っ払いを一体どうやって減少させたのだろうか?
このベンチの形状は、座りづらいというよりもむしろ「絶対寝そべれない」と言えるようなものだ。そもそも酔って騒ぎまくるような輩は、端っから寝そべったりなんかしないだろう?「寝そべり防止」は酔っ払い相手ではなく、明らかにホームレス相手の手管だろうよ。
ホームレス問題は30年前、いや、それ以前から歴として存在しているんだぞ。場所が新宿ならなおさらだ。当時公園にホームレスが居ついて多くの苦情が寄せられた、その対策としてベンチを寝そべれない形状にした。つまり新宿区は「意地悪ベンチ」の先駆者的自治体である。そう考えた方が区長の説明より遥かに合理的だ。俺はこの新宿区長が、SNSでの批判を刹那的に回避するために苦し紛れの言い訳をしているのだろうと訝る。
「言い訳」は、行政が最も得意とするところだからな。