1個のさいころを1回投げるとき、出た目Xを確率変数とした確率分布を考える。
この確率分布の確率密度関数は
=1\quad(x=1,2,3,4,5,6))

定義域は、確率変数Xの取りうる値ということで、自然数の集合{1,2,3,4,5,6}である。
確率密度関数というからには、積分することで確率が求められるはずである。
たとえば、1の目が出る確率は1/6だから
dx=\frac{1}{6})
となるはずである。
しかし、積分の性質からいえば、左辺は0ではないか。
離散分布では、高校数学の通常の積分はうまく機能しない。
積分(測度)が”連続関数向き”のものだからである。
定積分は、グラフとx軸が囲む部分の面積である。区分求積法によると、
dx&=\lim_{n\rightarrow\infty}&space;\sum_{k=1}^{n}f\left(\frac{k}{n}\right)\cdot\frac{b-a}{n}\\&space;&=\lim_{n\rightarrow\infty}&space;\sum_{k=1}^{n}f\left(x_k\right)\cdot(x_{k}-x_{k-1})&space;\end{align*})
これは、たくさんの長方形を足し合わせた極限が積分だということである。
縦の長さf(x_k)、横の長さx_k-x_{k-1}の長方形を無数に足すのである。
離散の場合は、定義域が点々なので(線ではないので)、
長方形の横の長さが0になり、それで面積も0になってしまう。
そこで、点々に長さ(測度)を与えるため、
横の長さを「集合の要素の個数」で測ることにする。
集合の要素の個数は、教科書ではn(A)などと書かれるが、ここでは
#({1})=1, #({1,3,5})=3
などと#(A)と書くことにする。
d(\&hash;)=f(1)\cdot&space;\&hash;(\{1\})=\frac{1}{6}\cdot&space;1=\frac{1}{6})
d(\&hash;)&=f(1)\cdot&space;\&hash;(\{1\})+f(3)\cdot&space;\&hash;(\{3\})+f(5)\cdot&space;\&hash;(\{5\})\\&space;&=\frac{1}{6}\cdot&space;1+\frac{1}{6}\cdot&space;1+\frac{1}{6}\cdot&space;1=\frac{1}{2}&space;\end{align*})
「奇数が出る確率」などを計算するには、積分範囲は集合で書く方が便利だからそうした。
最後に
1個のさいころを1回投げるとき、出た目を4で割った余りXを確率変数として考えてみる。
確率密度関数は

4で割った余りが1以下である確率は
d(\&hash;)&=f(0)\cdot&space;\&hash;(\{0\})+f(1)\cdot&space;\&hash;(\{1\})\\&space;&=\frac{1}{6}\cdot&space;1+\frac{2}{6}\cdot&space;1=\frac{1}{2}&space;\end{align*})
(おわり)