インピーダンスの図


この図はインピーダンスの式

の説明として出てきます。

この図はなにを意味しているのか、と、そこにまつわる数学について書きます。


交流回路では、電流も電圧も時間とともに変化します。インピーダンスを考えるときは、直流回路を考えますが、抵抗、コイル、コンデンサーと3つも付いていると、それぞれの電圧の動きを把握するのは大変です。(直列だから電流は、同じ時刻ならどこでもいっしょです。)


ためしに、それぞれの素子にかかる電圧をグラフで書いてみると、

となります。ここで、黒(sin)が抵抗、青(-cos)がコイル赤(cos)がコンデンサーです。どれも同じ周期をもっていますが、ずれています。

しかし、描いてみたものの、これではよくわかりません。もう少しわかりやすい記法が、最初に出てきた矢印を使った図です。もう一回載せておきましょう。

この図の使い方を説明します。
3つの矢印V_R、V_L、V_Cはそれぞれ抵抗、コイル、コンデンサーの電圧の象徴です。時間とともに回転します(反時計回り)。風車みたいなもんですね。ちょっと回してみると、

この図で、矢印のx成分というか、紫色で表した部分が、その時刻での電圧を表します。cosはx座標、sinはy座標と習いますが、それと同じです。

紫色の矢印を、青い矢印の影だと思えば「x軸に映った影をみれば各素子の電圧の変動が一目瞭然」ということになります。


さて、インピーダンスの話です。
インピーダンスは、2つ上の図の緑の矢印の大きさです。緑の矢印は、3つのベクトルV_R、V_L、V_Cを合成したものです。これがインピーダンスの数学的意味です。直列交流回路の回路抵抗の定義としては、妥当なものだという気がします。

インピーダンスの値を求めるには、緑色のベクトルの大きさを計算すればいいのですが、V_LとV_Cが平行であることに注意すれば簡単です。計算した結果が最初に載せたZの式です。



一方、ベクトルの代わりに複素数を使う方法もあります。電圧の象徴V_R、V_L、V_Cを複素数と考えます。やはり時間とともに回転させます。実際の電圧は、V_R、V_L、V_Cの実部で表されます。
すると、面白いことに、「交流回路において、電圧は本当は複素数値をとっているが、人間に計測できるのはその実部だけである」という考えが浮かびます。虚数は実在したのです!(すごーい

複素数で考えてもインピーダンスZはちゃんと計算できます。(ベクトルを合成して大きさを計算するというのは、複素数を足し算して絶対値を計算することに対応するので、当たり前です。)さっきのように図形的性質に注意してやったほうが速いですが、せっかくなので式計算でやってみましょう。

ですから、

と計算できます。最後の=は、e^{ωt+π/2}とe^{ωt}が直交していることより。なんか複素平面が復活したのにオイラーの公式を習ってない?的な噂をききますが、もしeに直せなかったら三角関数のまま計算してもできます。

結局、物理の教科書ではベクトルで考えるのと大差ないですが、虚数の存在を感じられるという点では、複素数を使った捉え方をしておくことは有益です。


~最後に~

そういえば、交流回路ってなんで時間とともに電流や電圧が変化するのでしょうか?物理の参考書で「交流の発生」のところを見ると、「コイルが磁束の中で回転することで誘導起電力が発生し・・・」ということが書いてあります。この回転がインピーダンスの図の矢印の回転であり、三角関数の変数であり、複素平面での回転角なわけです。まあ、「回転あるところに複素数あり」ということでしょうか。
数を、10進法表記からn進法表記に変換するときに筆算を使うことがあります。ある問題集を見ると、もとの数が整数の場合は筆算が載っていましたが、もとの数が小数の場合は筆算が載っていませんでした。今回の記事では、小数をn進法に変換するための筆算の仕方を述べます。

まず、整数をn進数にするための筆算を簡単に復習しておきます。

例題1
10進数で5473と表される数を3進数で表せ。

解答
筆算すると、

「3進数」だから3で割り続け、商が0になったらおわり。右側には余りを書きます。その余りを下から順番に並べれば、が得られます。□


さて、本題の小数に入りましょう。

例題2
10進数で0.712と表されるを5進数で表せ。

解答
筆者が思いついた筆算(整数問題の参考書はあまりみていないので、もしかしたらどこかの参考書にすでに載ってるかもしれない。)をとりあえず描いてみます。

これは、0.712に5を掛け、積の整数部分を“余り”として右によけます。そうしてできた小数部分にまた5を掛ける、という作業を繰り返し、小数部分が0になったら(整数になったら)おわり。“余り”を上から順番に並べれば、が得られます。□


この筆算が正当なものであることを筆者は証明していませんが、いくつかの具体的な問題で試してみて正しい答えが出たので、おそらく正しいのだと思います。この筆算は、もとの数が整数である場合の筆算(例題1)を参考にして発見しました。
もとの数が整数のときは、5進数に直すには5で割ります。整数の5進数は、を足し合わせたものだからです。小数の場合はを足し合わせたものになるから、1/5割ればよさそうです。つまり5を掛けるわけです。出てきた商は1/5(の累乗)はいくつあるかを表すと考えられるので、その整数部分は5進数にしたときの各位の数になります。

一応答えが正しいことを確かめておきましょう。

よって、正しいことが確かめられました。


最後に、小数の場合の筆算について補足してこの記事を終わります。

整数の場合と違って、小数をn進法に直す場合は、筆算が終わらないこともあります。というのも、たとえば5進数に直す場合0.2,0.04,0.008,...の和でぴったり表せなければならないですが、なかなかそんなにうまくはいかないからです。大抵はいつまでたっても過不足が出て筆算は終わず、いわば無限小数になります。そういえば、10進数でも、表しきれず無限小数になってしまう数はたくさんありますネ。
Cを円
sを定点(2,0)を通る直線とする。
Cとsが2点で交わる場合を考え、2つの交点のうちx座標が小さいものをA、大きいものをBとする。(下図)


sの方程式は、傾きをmとしてと書ける。mの範囲は、2点で交わることより、判別式を使えば出る。


さて、円Cの点A、Bにおける接線の交点をPとすると、

のようになる。

Pの座標は、いくつか求め方があるが、例えば、
(1)2つの接線を連立する、(2)1つの接線とABの垂直二等分線を連立する、(3)割線の方程式とsの方程式を比較する、といった方法がある。

(3)は教科書ではあまり出て来ないかもしれないが、

   「Q(a,b)とすれば、直線ABの方程式がと表せる(割線の公式)」

を使う。直線ABと直線sは同じものだから、2つの方程式

もまた同じものである。右辺を1に統一して係数を比較すれば、がわかる。フグ

  フグ
  ただしm≠0である。m→0でPは無限に遠くに行ってしまうので、
  m=0のとき割線公式は使えない。
  sの傾きが0のときの図を書いてみればPなんか存在しないことがすぐわかる。

  あと、係数比較の前に右辺を1に統一したのは、方程式の係数は一通りではないから。
  x+y=1と2x+2y=2は係数が違うが同じ直線を表している。
  こういう齟齬が生じないように1で統一した。


割線の公式はよくわからなかったら使う必要はない(記述式で使っていいのかも筆者はよく知らない)。しかし、接線の公式によく似ている点は興味深い。どういう関係があるかは自分で考えてみると面白い。


(1)(2)(3)いずれの方法を使うにしても、Pの座標は(m≠0) と出てくる。
m≠0は避けられない。

↑「m=0の図」を見れば当たり前である。

このとき、点Pはどこにあるだろうか?
y座標の分母が0になってしまうので、どこにもないのだが、あえていうならどこだろう?

上図をみると、なんとなく、y軸上のずっと上の方で、Pのx座標は0と思えないだろうか。
しかし、さっき求めたPの座標をみるとx座標は1/2である。これはmによらず常に1/2である。ということは、m→0としてもx座標は1/2である。m=0の図はy軸対称(左右対称)なのに、Pのx座標がx軸正(右)のほうに寄っているのは、筆者には意外だった。

しかし、よく考えてみると、これは、sの定点がx軸正のほうに寄っているせいである。たとえば、sの定点が(-2,0)なら、Pのx座標は常に-1/2であり、定点次第でPのx座標ははいくらでも変えられるのである。一般に、「sの定点が(c,0)のなら、Pのx座標は1/cである」とわかるので、sの定点をうまく選べばPのx座標は好きな値にできる(ただし0以外)。こうしてsとしてありうるもの全部を考えれば(広い視野で見れば)、m=0の図に見合った「対称性」(Pのx座標は0以外のすべての実数)が現れる。