ベクトルの内積と日常生活との関連について

思いついたこと(妄想?)をつらつら書きます。

 

2つ前の記事で

任意の平面ベクトルpは、

を使って

と成分表示できることを書きました。

 

内積でベクトルpの「成分」が抽出された。

化学で「抽出」を勉強する。

水溶性のものと油溶性のものがよく混ざっている混合物に

ヘキサン(油)を入れ、よく振っておいておくと、

ヘキサンは全体と混ざらず分離し、さらに

油溶性の成分がヘキサンのほうに染み出してくる

というものです。

要するに、混合物に水や油を混ぜることで、

水に溶けやすいものは水のほうに

油に溶けやすいものは油のほうに溶けだして

分離することができるのです。(たぶん)

 

今、ネットで検索したら、コーヒーを煎れるのも抽出らしい。

コーヒー豆には、水に溶ける“香り成分”と、水に溶けない豆本体がある。

お湯を注ぐと、水溶性の香り成分はお湯に溶けて出して(抽出されて)コーヒーになる、

ということらしい。

 

そこでは、

コーヒー豆がベクトルp、

お湯がベクトルa、

お湯を注ぐことが、ベクトルaと内積をとること

にそれぞれ対応し、

お湯の中に、香り成分が抽出されたのである。

 

では、ベクトルbはなんなのか?

ベクトルaと垂直なのか?

ベクトルaの大きさは1なのか?

 

内積をとるとは「注ぐこと」と解釈すると

ベクトルbなる物質を注ぐと、豆本体が抽出されるはずである。

(固液抽出を例にしたのが間違いだったか)

これはよくわからん。

豆はフィルターに引っかかって残されているが・・・

フィルターがベクトルb??

 

 

さあ、ベクトルaとベクトルbが垂直であることを示してみようではないか。

フィルターにお湯を注ぐ。

出てきたお湯になにか溶けていますか?→否。溶けていない。

注いだ後のフィルターに何か残っていますか?→否。何も残らない。

おお!どっちも0ではないか!

 

 ヘビ仮に、片方が0にならなければ、それはそれで面白い。

   内積の交換法則が成り立たない世界

   「非可換内積空間」への入り口!?

 

次に、ベクトルaの大きさを調べよう。

ベクトルの大きさは、

というように内積で書ける。

 

お湯Aにお湯Bを注ぐと、

お湯Bに溶けだすのは、お湯A全体である。

これのルートを考えらければならないが、どうすべきか???

 

いかに抽象的なベクトルといえども、

内積の値は実数でなければならない。

大学では複素数、あるいは一般に体になってることもあるが、

要するに、たし算・引き算・かけ算ができないと困る。

そしてもちろん「1」が存在するというのもはずせない。

 

「お湯」や「香り成分」で、たし算・引き算・かけ算ができて

さらに「1」がなんなのかはっきりさせなくてはいけない。

そうでなくては、今まで考えてきたものはベクトルとは言いがたい。

 

行き詰ったので今回はここまでとしたい。

 

(おわり)

『宇宙と宇宙をつなぐ数学』

加藤文元 著

角川書店

初版  2019.4.25

第7版 2019.12.25

 

を読みました。

1年も前に出版されていたようですが・・・

 

加藤文元さんは、『数学する精神』等の著書で名前を知っていた。

実は、ABC予想で話題の望月新一さんと親しいらしい。

2人で、“数学+焼き肉の会”をしたほどの仲だという。

数学のことだけでなく、望月さんの人柄がうかがえるエピソード、新理論発表に関する苦悩もたくさん書かれていて、

IUTをちょっと身近に感じた。

 

IUTは「宇宙際タイヒミュラー理論」"inter-universal teichmoeller theory"の頭文字である。

「ABC予想を証明した」というより、もっと広く、「全く新しい数学のやり方を提唱した」ということらしい。

発端はABC予想かもしれないが、IUTが完成された今では、それは応用の一つでしかないので、

ABC予想を解決したというより、IUTを作ったというのが適切であるようだ。

 

 カエル{inter-national(インターナショナル)は国-際である。この類推で

    inter-universal(インターユニバーサル)は宇宙-際である。

    「現在は国際化が完了し国際社会になった」とすると今度は「宇宙際社会」を目指すのか?

    宇宙際の他に「銀河際」などというのもあるそうだが、その前に「惑星際」かなと思う。

    「金輪際」はなんて言うのだろう。inter-???

 

ところで、たし算とかけ算の間には「壁」がある。

これは本書を読む前から自分も感じていたし、けっこうみんなが持っている感覚ではないか。

たとえば(本に書いてあるのではなくて、自分が勝手にあげる例だが)、

これを解くのは難しい。

「これは指数・累乗の問題じゃないか」と思うかもしれないが、

「2をx回かけるのと、2をx回たすのとが混ざっている」から難しいのである。

ほかの例として

「素因数分解」を考える。6を素因数分解すると

6=2×3

であるが、これは「かけ算」に分解した(し尽くした)のである。

6を「たし算」で分解し尽くすと

6=1+1+1+1+1+1

となる。こうしてみると、素数は「かけ算」に由来するものであって、「たし算」からは遠い。

素数とたし算の関係を述べる定理があれば、それはけっこうすごい定理なのだと思う。

 

以上、たし算とかけ算の間に横たわる「壁」の例として適切だったかはわからないが、

ともかく、IUTを使えば、その「壁」を(なんかよくわからないけど)やわらかくして、切り抜けることができるらしい。

 

今回読んだ本『宇宙と宇宙をつなぐ数学』では、数学の説明が大変丁寧である。同じことを繰り返し書いており、

「多くの人になんとか伝えたい」という熱い思いが感じられる。

記号は、logがちょっとでてくるが、高校数学程度だと思う。背理法を知っているとフェルマ-の大定理のコラムを読める。

あと最後に「群」(大学で勉強します)の話が出るが、なんとかわかってもらおうとシンプルな例でじっくり説明されている。

逆に言うと「イメージ」以上の数学目当てだとちょっと物足らないと思う。

そういう人は、望月さんのブログ『新一の「心の一票」』(すごいタイトル!)から論文をダウンロードして読んでみてはどうかしら。

「事実上、高校数学でわかる具体例」が載っている。私は、読んでも理解できなかったが、(記号がわからんえーん

最初からちゃんと読めばわかるのかもしれない??

 

(おわり)

内積が登場する恒等式

 

~この記事では、平面ベクトルを扱います。~

 

ベクトルaとベクトルbは垂直で、零でないベクトルとする。

ベクトルpが実数x、yを用いて

と書けるとき、

である。

 

≪証明≫

yについても、同じようにやればできる。(証明おわり)

 

ベクトルa、bの直交性が生かされた結果である。

 

さらに、ベクトルa、bとして、垂直であり、かつ、大きさが1であるものを採用すると、

したがって

 

最後に

 宇宙人くん

として、成分で書くことにすると

というわけで、ベクトルa、bを宇宙人くんのように設定すれば、内積はベクトルpの成分である!

これはベクトルpについての恒等式である。

 

【補足】

ベクトルpが空間ベクトルのときも同様の恒等式が成立します。

また、大学で勉強する数学ですが、

無限次元(!)でも、考えているベクトル全体集合が、(可分な)ヒルベルト空間というものになっていれば、

完全正規直交基底(上述のベクトルa、bに相当するもの。ただし、大きさ1、垂直だけでは不十分)を使って、

いわゆるパーセヴァル(Parseval)の等式

が成り立ちます。(可分じゃないときはどうだったか忘れた。)

 

(おわり)