聖武天皇の大嘗祭の時の木簡を発見 | 歴史ニュース総合案内

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 奈良文化財研究所は3月19日、平城宮跡で聖武天皇が大嘗祭を行った時に作成された木簡が1000点以上出土したと発表した。大嘗と書かれた木簡が見つかるのは、歴代天皇でも類例がない。

 朱雀門跡の南東側で2~3月に行われた発掘調査で、深さ1mの大土坑(東西2.8m、南北2.5m)から「大嘗」や「神亀元年」と聖武天皇が即位した724年を記す木簡が水に漬かった状態で大量に出土した。備中、周防、安房をはじめ、全国から天皇即位の大嘗祭のために集められた物産を記録する荷札で、大嘗祭の後で廃棄されたとみられる。「大嘗」の字が書かれていたのは4点だった。奈文研は調査終了までに1500点ほどの出土を見込んでいる。

 文武天皇の第一皇子である聖武天皇こと首(おびとの)皇子は伯母の元正天皇から譲位され、養老から改元して24歳で即位した。大極殿で開かれた大嘗祭では、播磨と備前から米が送られたと続日本紀に記述されている。

 

 「大嘗」と記載された木簡

 哲多郡進出大嘗分荒炭一斛 十月十六日 石 (備中から)

 郡村社郷高負里大嘗分 色人

 刑部郷三洛里大嘗分 苫一枚

 佐■郡大嘗贄押年魚■百十隻