3D印刷されたイスタンブールのダヴィンチ橋構想 | 歴史ニュース総合案内

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 レオナルド・ダヴィンチがオスマン帝国の都イスタンブールに築こうとした大橋が、マサチューセッツ工科大(MIT)で3Dプリンターにより復元され、10月9日MITが発表した。実現不能と没になった橋だが、理論上は合理的だった。

 この大橋は芸術以上に土木の建築家でもあったダヴィンチが1502年、バヤジット2世の構想に応えたもの。トプカプ宮殿と金角湾を隔てたガラタ地区を結ぶ大橋のために、ダヴィンチは1つのアーチで支柱を設けない約240m、幅約40mの橋を架ける構想を提示した。そんな長さの大橋は当時、どこにも存在しなかった。このガラタ橋は、1845年になってダヴィンチとは無縁にようやく現実のものとなり、一帯はガラタ塔と共に屋台町となっている。現在の橋の長さは約490mだ。

 ダヴィンチはメモ書きで建築手段も建築材も示していなかったが、院生のカーリー・バストらMITの研究チームは3Dプリンターで126のブロックを用意し、約81cmと500分の1の縮尺のレプリカを設計。石材のみで設計した場合、モルタルや留め具に頼らずとも十分建設可能であり、地震などへの耐久対策も考慮されていたと論じた。

 

 ダヴィンチの鏡文字メモには、ヘリコプターなどルネサンス期の科学水準では想像もつかない機械が描かれている。それらが現実の科学に立脚しているかどうかは、ただの絵空事か科学者か否かを判断するだけの根拠になる。