信玄ミュージアムの開館 | 歴史ニュース総合案内

歴史ニュース総合案内

発掘も歴史政治も歴史作品も

 甲斐武田氏の歩みを紹介する武田氏館跡歴史館(信玄ミュージアム)が、4月5日山梨県甲府市の武田神社の南で開館した。上杉謙信に関する新潟県上越市の春日山城跡ものがたり館に相当する。

 武田晴信(信玄)を祭神とする武田神社は、武田氏の本拠地だった躑躅ヶ崎館だった。博物館では、武田信虎、晴信、勝頼の事績を中心に紹介。無料スペースでは晴信に放逐された信虎にも重点を置いてパネル展示し、有料区画には出土品や晴信のナレーションを交えた映像展示をする。神社参拝者の滞在所となる博物館は、隣の旧堀田家住宅と共に各種イベントの会場となることを想定して建てられた。

 

 鎌倉時代から名族だった武田氏は石和(いさわ)に本拠を構えていたが、晴信の父親の武田信虎が1519年に相川扇状地の同地に館を移して以来、甲府は甲斐国の中心となった。武田神社裏の石水寺要害城に生まれた武田信玄の坐像は、山梨県の顔であり、武田氏や重臣たちの歩みは山梨県史の中心に君臨しているが、その歴史は武田神社の宝物館に纏められてきた。(山梨県立博物館は笛吹市にあり、甲府市には美術館はあっても、総合博物館がない)

 

 信玄坐像は甲府駅の南口にあるが、信虎の銅像も2018年12月に北口のよっちゃばれ広場で新設された。甲府が中心になって500年になるのを記念する事業の一環だった。