マダガスカルの女王の冠が日本で盗品に | 歴史ニュース総合案内

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 マダガスカルの女王ラナヴァルナ1世金銀の王冠が盗品状態で日本に到来している可能性があることがこのほど判明した。文化庁が昨年12月マダガスカルのアンダフィアヴァラトラ宮から盗まれた同品を4月13日付で「省令で指定された特定外国文化財」に定めた。王冠の形状は下の写真(文化庁より)の通り。外周55cm、高さ30cmで、前に見える板材は銀を金メッキしたものだ。
 ラナヴァルナ1世(ラナヴァロナ1世 在位1828~61)は、現在のマダガスカルの首都アンタナナリボに栄えたメリナ人の王である。先王でもある夫ラダマ1世は西洋の協力を得て西のサカラヴァ人、南のアンタンドルイ人を押さえ、マダガスカル全島を統一する王国を築いた。しかし、西洋の植民地化を恐れた家臣は夫の死後(暗殺ともいわれる)、王妃を新たな王とした。ラナヴァルナ1世は彼らの声に応えて西洋人の活動を残虐に抑え込む方策を採り、時代の流れに抗おうとした。死後もこの国には3名もの女王が出たが、時勢には逆らえず1896年フランスの植民地に置かれることとなった。結構歴史評価の分かれる女王のようだ。
 文化庁が国際的盗品と認めている物件には他に、2003年にトルコのダイヤ―バーグ・シリアック古代聖母マリア教会から盗難された聖書写本と十字銀細工がある。
 

$歴史ニュース総合案内-文化庁より