恭介と真田は、大抵放課後は立ち入り禁止の屋上で何かしら語り合っている。
一応、二人だけではなくもう三人ほどいるのだが。
まず、沙耶。
「もうすぐテストねー」
次に、瑞希(みずき)。
「っていうか明後日だよね?」
最後に、鈴。
「皆さんは自信とかありますか?」
とまぁ、そこに恭介と真田が加わり、いつも語り合っている訳だ。
恭介は突然テストの話題が出たのが不愉快なのか、ムスッとした表情で沙耶を睨みつけた。実はあまり成績の良くない恭介である。常に赤点ギリギリの結果を残しながらここまで来た彼にとって、いつもテストはボロ橋を渡る気分でいる。
勉強しろよ、と何度も真田や沙耶に言われてはいるのだが、いつも三十分も集中が続かずに終わるため全くと言っていいほどはかどらない。
「お前、今回はちゃんと勉強してるんだろうな?」
「全く、俺をナメるなよ真田。当然のごとく──」
一間置いて、
「全然やってない」
「だと思った」
「この会話、前にもしたわよね?」
「いつもの事です」
第二話「テスト前に遊ばないかい?」
「と、言う訳で遊ぼうか」
そう言った恭介は、四人に殴られた。
「いってぇぇぇぇ!!」
「痛ぇじゃねぇ。何バカな事言ってんだお前は、さっき明後日テストがあるっていったばかりだろうがよ」
「だからこそ遊ぶんだろうが!!」
「だから勉強すんだろうがよ!!」
「全く、全然見えちゃいないな。真田」
「なんであんなに自信満々なんだろ……」
円を書くように歩きながら、何故か笑いながら語りだした。
「テスト前に遊んだ方がスリルがあるだろ?」
「いっぺん死になさいよアンタ」
「何で恭介君の巻き添えくらわなきゃいけないの?」
完全な正論を受けてもびくともしない恭介は逆に笑顔になって、突然わっはっはと笑い出した。そのやけに高らかな笑い声は、少し気持ち悪くって少しひく。
そんな事も気にしない恭介は、くわっと目を見開いて真田達を睨むと、
「その方が楽しいだろうがッ!!」
「テスト前に遊んだって全然楽しく何かねぇっつーの!」
真田の叫びなど完全無視して続けた。
「とにかくとにかく! これは強制だから! さぁ、レッツゴー!」
恭介は屋上から去って行くと、どこかへ行ってしまった……。
四人はボーッとしたままその姿を見ていると、
「ほっといて話してようぜ」
「「「うん」」」
その後、どうやら一人で遊んでいたらしい恭介は、とうとう赤点を取って補習となった。