デング熱 | 日本史の謎の空白を解明する、

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デング熱


デング熱(デングねつ、まれにデンゲ熱とも、英: dengue fever, breakbone fever)とは、デングウイルスが原因の感染症であり、熱帯病の一つである。2014年現在、実用化されている予防ワクチンはまだない。

一過性の熱性疾患であり、症状には、発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛(英語版)、はしかの症状に似た特徴的な皮膚発疹を含む。治療方法は対症療法が主体で、急性デング熱にはいま起きている症状を軽減するための支持療法が用いられ、軽度または中等度であれば、経口もしくは点滴による水分補給、より重度の場合は、

点滴静脈注射や輸血といった治療が用いられる。稀ではあるが、生命を脅かすデング出血熱に発展し、出血、血小板

の減少、または血漿(けっしょう)漏出を引き起こしたり、デングショック症候群に発展して出血性ショックを引き起こすこともある。

主な媒介生物はヤブカ属の中でも特にネッタイシマカ(Aedes aegypti)やヒトスジシマカ(Aedes albopictus)などの

蚊によって媒介される。ただし、ヒトスジシマカにとってヒトは主な吸血対象ではなく、デング熱の媒介はまれである

。このウイルスには4つの異なる型があり、ある型に感染すると、通常その型に対する終生免疫を獲得するが、他の型に対する免疫は短期間にとどまる。また、異なる型に続けて感染すると、重度の合併症のリスクが高まる。

デング熱が文献に現れるようになったのは1779年からであり、ウイルスが原因であることや伝染経路について解明されたのは、20世紀初頭である。

第二次世界大戦以降、デング熱は世界的に広まり、1960年代からその発生数は急激に増加している。現在では、110か国以上で毎年およそ5,000万人から1億人が感染する

風土病となっている。その原因として、急激な

都市化や地球温暖化が関与していると考えられている。対策としては、蚊の駆除の他に、ワクチンの研究やウイルスに直接働きかける薬物治療の研究が進められている。

臨床像


通常、人間同士の直接感染は起こらない。ただし、輸血、血液製剤

、臓器移植は例外である[1][2]
。 デングウイルスに感染しても8割は無症状であり、それ以外も軽度の症状、例えば合併症を伴わない発熱症状が現れるだけがほとんどである

[3][4][5]
。しかし、5%の感染者では重症にまで発展し、さらにごく一部では生命を脅かすこともある

[3][5]
。潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は3日から14日であるが、ほとんどの場合は4日から7日である

[6]
。このため、デング熱の流行地域から戻ってきた旅行者が、帰宅してから14日以上経った後で、発熱やその他の症状が出始めた場合、デング熱である可能性は極めて低い

[7]
。子供の場合、風邪や胃腸炎(嘔吐や下痢)とよく似た症状がたびたび現れ

[8]
、症状は一般的に大人よりも軽いが[9]
、その一方で重度の合併症に陥りやすい

[7][9]


シンガポールなどのデング熱が流行している国々では、その感染リスクは、10,000回の輸血のうち1.6 - 6回と見積もられている

[10]
。また、妊娠中もしくは出産時に、母親から子供へ

垂直感染することも報告されている[11]
。その他、まれに人から人へと感染することも報告されている

[12]


臨床経過



デング熱の臨床経過[13]

デング熱の症状の特徴は、突然の発熱、頭痛(一般的に目の奥の痛み)、筋肉や関節の痛み、発疹である。英語で別名「break-bone fever」と呼ばれているが、デング熱に伴う筋肉や関節の痛みに由来している

[3][12]
。感染には、発熱、重症、回復の3段階がある[13]


発熱期には、40℃以上の高熱が出ることがよくあり、全身の痛みや頭痛を伴う。通常、このような症状が2日から7日続く

[12][13]
。この段階で発疹の症状が現れるのは、50 - 80%である

[12][14]
。1日目または2日目に

紅斑が現れるか、さらに4日から7日疾患段階が経過した後に、はしか

に似た発疹が現れる[14][15]
。またこの時点で、点状出血(皮膚を押したときに消えないまま残る小さな赤色の点で、

毛細血管の破綻が原因)がいくつか現れ

[13]
、口や鼻の粘膜から軽度の出血がある場合もある

[7][12]
。基本的に、発熱自体は1日か2日の間で急に熱が上がって下がるという二相性を示すが、どのような頻度でこの二相性発熱が生じるかはまちまちである

[15][16]


中には重症に発展する人もいる。重症に至る場合、それは高熱から回復した後であり、通常1日から2日続く[13]
。この段階で、

毛細血管の透過性が増し、水分の漏れが増加することで、胸腔や腹腔に多量の水分が溜まる場合がある。これにより、血液量減少が生じたり、

循環性ショックが生じたりする[13]
。またこの段階では、臓器障害や大量出血が、一般的には

消化器で起きることがある[7][13]
。デングショック症候群と呼ばれる循環性ショックやデング出血熱と呼ばれる出血が発症する割合は、全症例の5%未満であるが

[7]
、以前に他の血清型のデングウイルスに感染したことがある場合(つまり、二回目の感染の場合)は、そのリスクが増える

[7][17]


引き続き、血流に漏れた水分が再び吸収されることによって症状は回復していく[13]
。これは通常2、3日かかる[7]
。回復は目覚しいが、激しい

痒みが発生したり、徐脈(心拍が遅くなること)がよくある[7][13]
。斑丘疹または血管炎症候群

といった別の発疹が現れ、皮膚が剥けてくる場合もある[9]
。この段階で、水分過負荷状態になることがあり、これが

脳浮腫や意識レベルの低下、てんかんを引き起こす[7]
。数週間、疲労感が続く[9]


付随する症状 [編集]

デング熱は人体の他の部位に影響を与える場合もある[13]
。それは、単独の症状で現れることもあれば、典型的なデング熱の症状と共に現れる場合もある

[8]
。意識レベルの低下は、重症例の0.5 - 6%で発生するが、ウイルス性脳炎がその原因の場合もあれば、

肝臓などの重要な臓器の障害が間接的な起因となる場合もある[8][16]


その他の神経疾患については、横断性脊髄炎やギラン・バレー症候群などがデング熱の合併症として報告されている

[8]
。心筋炎や急性肝不全は、稀に起こる合併症の一つである[7][13]


病原体
[編集]

デングウイルス [編集]

デングウイルス



デングウイルスの透過型電子顕微鏡写真

中央付近に密集している黒点状のものがビリオン

分類(ウイルス)

群 : 第4群(1本鎖RNA +鎖)

科 : フラビウイルス科

属 : フラビウイルス属

デングウイルス(DENV)は、フラビウイルス科フラビウイルス属のRNAウイルス

である。同じ属には、黄熱病ウイルス、ウエストナイルウイルス、セントルイス脳炎(

St. Louis encephalitis)ウイルス、日本脳炎ウイルス、ダニ媒介性脳炎

ウイルス(Tick-borne encephalitis virus)、キャサヌール森林病(Kyasanur forest disease

)ウイルス、オムスク出血熱(Omsk hemorrhagic fever)ウイルスがある

[16]
。これらのほとんどは、節足動物(蚊やマダニ)が媒介しているため、

アルボウイルス(節足動物媒介性ウイルス)とも呼ばれている[16]


デングウイルスゲノム(全遺伝子情報)は、約11,000のヌクレオチド塩基からなっている。その

塩基配列は、ウイルスの粒子状構造に必要な3種のタンパク質分子(C、prM、E)と感染した宿主細胞にのみ発現し、ウイルスの複製に必要となる7種のタンパク質分子(NS1、NS2a、NS2b、NS3、NS4a、NS4b、NS5)を

コードしている[17][18]
。また、血清型で4つのウイルス型、DENV-1、DENV-2、DENV-3、DENV-4に分類される

[4]
。これらの4つの血清型はすべて、あらゆる症状を引き起こす原因となる

[17]
。例えば、ある血清型に感染すると、その血清型に対する終生免疫を獲得するが、他の血清型に対する防御は短期間にとどまる

[4][12]


二度目の感染で重度の合併症が特に起こりやすいのは、以前血清型DENV-1に感染した人が、血清型DENV-2または血清型DENV-3に感染する場合や、以前血清型DENV-3に感染した人が、血清型DENV-2に感染する場合である

[18]


媒介生物 [編集]



栄養源であるヒトに吸い付くネッタイシマカ

(Aedes aegypti)

デングウイルスは、主にヤブカ、とりわけネッタイシマカ(Aedes aegypti)によって媒介される

[4]
。これらの蚊は通常、北緯35度から南緯35度の間、標高1,000メートル以下の所に生息している

[4]
。刺されるのは主に日中である[19]
。病気を媒介するヤブカの種には、他に

ヒトスジシマカ、ポリネシアヤブカ(Aedes polynesiensis

)、スクテラリスシマカ(Aedes scutellaris)がある[4]
。ウイルスは、主にヒトを

宿主とするが[16][4]
、ヒト以外のサル目にも伝染する[20]
。たったひと刺しで感染し得る

[21]
。デング熱に感染した人からメスが吸血すると、蚊の腸の内壁細胞にウイルスが感染する。およそ8日から10日後、ウイルスは他の組織にも広がり、これが

唾液腺にまで及ぶと、ウイルスが唾液中に放出されるようになる。蚊はウイルスから有害な影響を受けないようであり、生涯感染したままである。ネッタイシマカは、人工の水容器を産卵場所として好むため、ヒトの近くに住み着き、他の動物よりもヒトから吸血することが多い

[22]
。ウイルスを保有する蚊が産卵した場合、ヒトスジシマカでは約10%の割合で卵にウイルスが

垂直伝播することが明らかとされている。[要出典]

傾向 [編集]

重度の疾患は、乳幼児により多く見られ、多くの他の感染症とは対照的に、比較的栄養を多く摂っている子供たちの方が、なりやすい

[7]
。また、男性よりも女性のほうがリスクが高い[18]
。糖尿病や気管支喘息など持病がある人がデング熱にかかると、命にかかわることがある

[18]


特定遺伝子における遺伝的多型(通常見られる遺伝的差異)は、重度のデング熱合併症のリスクを高める。これには、

腫瘍壊死因子α(TNF-α)、マンナン結合レクチン[3]
、細胞障害性Tリンパ球抗原4(CTLA4)、トランスフォーミング増殖因子

β(TGFβ)[17]
、樹状細胞特異的ICAM-3結合ノンインテグリン(DC-SIGN)などのタンパク質をコードしている遺伝子や

ヒト白血球型抗原の特定の遺伝子座が含まれる[18]
。また、アフリカで広まっているグルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症

と呼ばれる遺伝子疾患は、リスクを高めるおそれがある[23]
。ビタミンD受容体やFc受容体の遺伝子多型は、二度目にデングウイルスに感染したときに重度の疾患になることを防ぐと言われている

[18]


発症機構
[編集]

デングウイルスを運ぶ蚊が人を刺すと、蚊の唾液と共にウイルスが皮膚に侵入する。ウイルスは、白血球と結合してその中に入り、体内を移動しながら細胞内で増殖する。白血球は、

インターフェロンなどの多くのシグナルタンパク質を生成しながら応答するが、それが発熱やインフルエンザのような症状、重度の痛みなど多くの症状を引き起こす。

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