今回は生保数理について書きます。



この科目は数学と違ってあまり馴染みのない人が多いと思います。


おそらくアクチュアリー試験を受ける人しか勉強しないであろう科目です。


そのこともあって勉強する教科書はアクチュアリー会の指定教科書である二見隆さんの「生命保険数学」しかないと思います。

一応、他に黒田耕嗣さんの「生保年金数理〈1〉理論編」や山内恒人さんの「生命保険数学の基礎」を上げる人もいますが、指定教科書から出ることが多いのでどのみち指定教科書も読むことになります。なので、教科書がどうしても合わない人や教科書だけでは不安な人は手をつけたらいいと思います



勉強法についてですが・・・



まずは教科書の範囲の章を一通り読むことをおすすめします。

よくわからないところもあると思いますが、すべて出るわけではないのでわからないところは思い切って飛ばしてもいいと思います。


一通り読み終わったら教科書の章末問題のうち証明以外の問題を解きます。


試験がマーク式なので証明問題はあまり出ないですし、章末問題の証明問題は厄介な問題も多く試験レベルを超えてるからです。

章末問題は難しい問題も多いですが、そのまま出題されたことも何度かあるのでやっておいた方がいいでしょう。
実際、私が受けた今回の試験では章末問題をやっていれば即答出来る問題が2問ほど出ました。


章末問題が終えて過去問を2~3周やれば60以上取れるようになってると思います。

取れない場合はおそらく必要な公式を覚えきれていないためだと思うので、解説で使ってる公式をどんどん覚えて行くようにすればいいでしょう。



ここからはそれぞれの章について重要なポイントを書いていきたいと思います。

各章に対するコメントと覚えておくべき必要最低限の公式を書きます。



第一章

単利・複利、名称利率・実利率、利力、ハーディーの公式、元利均等返済、元金均等返済、減債基金など


公式:(1.2.2)、(1.3.3)、(1.4.1)、(1.7.1)、(1.7.2)、(1.12.2)、(1.12.3)


第二章


死亡率、生存率、死力、平均余命、中央死亡率など

この章は死力がかなり重要なのでしっかりやっておいた方がいいです。

公式:(2.1.1)、(2.4.2)、(2.4.12)、(2.5.2)、(2.5.5)、(2.6.16)


第三章


絶対脱退率など

公式:(3.2.11)、(3.2.14)


第四章

一時払保険料、生命年金、計算基数全般など

この章で保険料の求め方とかをやるので、一番重要な章と思われます。
基数を使った計算法に慣れておかないと苦労します。

公式:(4.2.2)、(4.3.13)、(4.5.1)、(4.5.9)、(4.6.6)、(4.9.4)、(4.11.1)、(4.14.1)



第五章

責任準備金、再帰式など

再帰式はややこしい式ですが、頻出の分野です。

公式:(5.3.2)、(5.3.7)、(5.6.6)



第七章

営業保険料など

営業保険料は他の問題と絡めて出てくるので、ここができてないとほとんどの問題を落とすことになります。

公式:(7.1.5)



第八章


チルメル式責任準備金など
ここはややこしいですが、毎回2問程出ます。

公式:(8.1.2)、(8.1.3)、(8.1.5)、(8.2.4)



第九章

解約返戻金、払済保険、延長保険など

つい忘れがちの分野ですが、2年に一度くらい出ます。

公式:(9.1.1)、(9.3.1)


第十二章

連合生命年金、連合保険など
この分野は公式が多いですが、性質を理解していたらほとんど覚えなくて大丈夫です。

公式:(12.1.2)、(12.1.9)、(12.1.22)


第十三章


就業不能者に対する年金や保険など
この分野は難しいのでかなり狙われます。毎回大問で1問出ています。

公式:(13.1.3)、(13.1.4)、(13.1.11)、(13.1.17)、(13.1.20)、(13.2.7)、(13.3.6)


第十四章

入院、災害に関する保険など

最近の過去問にしか出題されてませんが、小問で1つくらい出ることもあります。

公式:(14.1.4)、(14.2.2)


公式の中でも(2.4.2)、(4.9.4)、(5.3.7)、(5.6.6)は特によく使います。

今まで何回使ったか数えれきません。



これらの公式は覚えてなくても意味を考れば解ける問題も多いと思いますが、覚えておいた方が圧倒的に早いです。

生保数理は数学と言えどもほとんど暗記科目です。記号の多さや公式の多さに嫌になることも多いと思いますが、受かるまでの辛抱なので公式集などを作って頑張って覚えてください。




このブログが今年受ける人の参考になってくれれば嬉しいです。

とりあえず今回受かった科目の対策を書いておきたいと思います。


アクチュアリー試験の対策についてはactuay_mathさんが「アクチュアリー試験数学の研究 」でとても詳しく書かれているのであまり必要ないかもしれませんが、ここでは自分の体験談的なものを書きます。



では、今回は数学について書きます。


現在のアクチュアリー試験の数学は確率、統計、モデリングに分かれています。

確率と統計の境界は難しいですが、確率が高校の確率の問題や確率分布に関する問題であるのに対し、統計は推定や検定といった感じだと思います。

最近の傾向では小問12問中、確率、統計、モデリングが4問ずつで、大問の2問は確率と統計の問題が出てます。

どれも比重が大きいのですべて対策しないと合格点をとるのは厳しいです。

ただ、モデリングは小問4問だけなので、それを捨てても他を完璧に抑えておけば合格点は一応取れます。(実際、今回のモデリングはとても難しく、自分も4問中1問しか解けなかったのですが受かりました。)




次に勉強に使う教科書や問題集についてですが・・・


まったく統計を勉強したことがない方はアクチュアリー会が指定している東大出版の「統計学入門」を一通り読むことをおススメします。
もうひとつの指定教科書の入門数理統計学はあまりわかりやすくなかったので「統計学入門」の方がいいと思います。

まあ教科書から試験に出てるわけではないので、自分の分かりやすそうな統計の本を適当に見つけて一通り読めば十分です。



勉強したことのある方はいきなり過去問でもいいと思います。
とにかく過去問と似たような問題がでるので過去問で対策するのが一番です。

過去問やってそれでも対策が不十分だと思うなら問題集をやればいいと思います。



問題集は小寺平治さんの「明解演習 数理統計」を推す人が多いです。
実際、自分もこれを使って勉強しました。
ただ、必要ないような問題も多くあり取捨選択が必要なので、他の人が推薦するほどいいとは思いませんでした。

他にはアクチュアリー会が指定している培風館の「確率統計演習」がありますが、これについては使用していないのでわかりません。


とりあえず範囲を網羅している問題集ならどれを使ってもいいと思われます。
自分に合ったものを見つけてください。



ここからは確率、統計、モデリングに分けて対策を書いていきます。



まずは確率


確率の問題は大学入試のような確率の問題(赤玉が~みたいな)や大学で統計を勉強していなかったら馴染みのない確率分布を用いる問題が出ます。


前者の高校の確率の問題は特に対策しなくても出来るという人も多いと思いますが、不安なら上で挙げた問題集などで対策したらいいでしょう。


後者は対策が難しいです。


とりあえず押さえておくべきポイントを列挙しておきます。


1.確率変数の平均、分散、モーメントの求め方
2.積率母関数の性質とその求め方
3.有名な確率分布の性質
4.大数の法則や中心極限定理を用いた正規近似
5.確率変数の変数変換


3で有名な確率分布と書いてますが、押さえておくべきなのは正規分布、二項分布、ポアソン分布、幾何分布、負の二項分布、一様分布、指数分布、ガンマ分布、カイ二乗分布、対数正規分布くらいです。

これらについては最低でも密度関数、平均、分散は覚えておくべきです。正規分布については特に重要なので積率母関数も覚えておくべきです。
ガンマ分布は複雑な形をしていて覚えづらいかもしれませんが、覚えていたらすぐに解ける問題が多いので覚えておく価値は十分にあります。

これら以外にもベータ分布、超幾何分布、コーシー分布・・・とかもありますが、あまりでないので覚えておく必要はないでしょう。
余裕のある人は覚えておいたらどうかという感じです。




次に統計


統計は確率分布を用いた推定や検定が出ます。基本的に上で挙げたような確率のことを理解している前提で話が展開されているので確率を勉強した後にやった方がいいでしょう。


押さえておくべきポイントは


1.点推定と区間推定
2.平均に関する検定
3.分散に関する検定
4.適合度検定
5.尤度比検定
6.最小二乗法などの回帰分析


1の点推定は不偏推定量、最尤推定量、モーメント法、有効推定量などを押さえておけばいいでしょう。

2~5の検定は条件によって正規分布、t分布、χ二乗分布、F分布を使い分けする必要があるのでしっかりやっておかなければいけないです。
棄却域が両側か片側かや母分散が未知か既知かや自由度がいくらになるかをきちんと押さえておかないと正確な値を出せないので注意が必要です。

6の回帰分析は単回帰、重回帰の公式を覚えておくと時間の短縮になって便利です。
ただ、重回帰分析は行列を使って計算しても結構時間がかかるので出たら捨てるのもありです。



最後にモデリング


モデリングは指定教科書だけではカバーしきれていないので、アクチュアリー会が出してるモデリングの教科書、問題集で対策する必要があります。


一昨年まではモデリングの問題は簡単なものしか出ていなくて点の稼ぎどころだったのですが、去年のモデリングの問題は今まで出ていなかったようなものまで出てきました。
今後もこのような傾向が続くのであれば、しっかり対策しておかないとここでかなり点を落とすことになりそうです。


押さえておくべきポイントは

1.回帰分析
2.時系列解析
3.確率過程
4.シミュレーション
5.線形計画法


1の回帰分析は今までは線形回帰分析の単回帰と重回帰だけでいいと思ってたんですが、去年は線形ではない回帰分析が出てきたのでこれからそれも勉強していなければいけません。
線形回帰分析は行列を使った公式を覚えておけば、かなり時間短縮になります。

2の時系列解析は定常性、反転可能性、識別可能性の条件や平均や自己共分散、自己相関係数の求め方を押さえておかなければいけません。AR(3)やMA(3)でこれらを求められるかを確認しておいたら十分だと思います。

3の確率過程はマルコフ連鎖、ポアソン分布、ブラウン運動が中心になります。特にマルコフ連鎖がよく出ます。苦手意識のある人は線形代数を復習しておくべきです。

4のシミュレーションは逆関数法、棄却法、合成法、負の相関法になります。逆関数法と棄却法が中心ですが、あとの2つも狙われる可能性はあるので対策しておいて損はないでしょう。

5の線形計画法はシンプレックス法ですが、これはマークシートになって出しにくくなったのでおそらく出ないでしょう。ただ、そんなに難しくはないので一応確認しておいた方がいいと思います。




ここまで確率、統計、モデリングの3つに分けて書いていきましたが、それぞれ範囲が広いのでかなりの勉強量が必要です。
ただ、暗記しなければいけない項目はそれほど多くはないので、すでに基礎的な数学を押さえてる人にはそれほど苦にならないと思います。


この記事が参考になったかはわかりませんが、今年アクチュアリー試験を受ける人は頑張ってください。

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以前に違うところでブログを書いていたんですが、これからはこちらに書いていくことにします。


アクチュアリーに関すること、就職活動、大学生活について書いていきたいと思います。



基本的には自己啓発目的のブログなのであまり参考になるようなことはないかもしれませんが、少しでも多くの人に見てもらえると嬉しいです音譜




現在のアクチュアリー試験の状況は数学と生保の2科目合格です!!

今年は残りの損保、年金、KKTの3科目受けて準会員を目指しますグッド!