自伝的なものを書こうと時系列に羅列したのだが、父親のことは殆ど謎だと気づいた。
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家業は理容店。夫婦で店を切り盛りしていた。父親は無口で癇癪持ち。気に入らない事があると仕事を放り出していた。
母親は愛想よく客あしらいが上手かったが、陰に回っては悪口を言うのだった。
面前DVで乖離 〜10歳ほどまで
3歳頃。昼食を家族3人で食べていた。母親の何が気に入らなかったのか、父親の目の色が変わった。瞳孔が開き明るい鳶色になったと同時に、食卓の掘り炬燵の天板に乗っていた料理が飛び散った。父親が天板を持って振り上げたのだ。母親は状況を察して座敷から飛び出し、土間を走って家の一番奥の炊事場、ポンプ井戸の奥に縮こまった。追いかけた父親は持っていた天板を母親に振り下ろした。それを追いかけ泣き叫んでいた私の記憶が飛んだ。
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Geminiに聞いた。
私の父親の「癇癪持ち」。今で言うとどんな疾患名?
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ご提供いただいた情報にある「癇癪持ち」という表現や、気に入らないことがあると仕事を放り出す、目の色が変わって食器を振り上げるといった行動の激しさ・衝動性から、現代の精神医学で関連が考えられるいくつかの疾患名があります。
ただし、これはあくまでご質問内容から推測される可能性であり、正式な診断は医師が行うものです。
特に、ご提示のエピソードにあるような、些細なきっかけで状況に見合わないほど強く、衝動的に怒りが爆発し、物に当たったり他者を威嚇・攻撃したりする行動が繰り返される場合に、可能性として挙げられる疾患名には以下のようなものがあります。
間欠性爆発性障害(Intermittent Explosive Disorder: IED)
特徴: 怒りの爆発(暴言、物に当たる、身体的な攻撃など)が繰り返され、その程度の強さや頻度が、きっかけとなった出来事や状況に比べて著しく不釣り合いであること。本人は後で後悔することもありますが、怒りをコントロールできません。
その他、感情のコントロールの難しさや、衝動性、気分変動の激しさが特徴的な疾患も関連が考えられます。
双極性障害(躁うつ病): 特に躁状態や混合状態のときに、イライラ感や怒りっぽさ、衝動的な行動が強く出ることがあります。
境界性パーソナリティ障害(BPD): 気分の波が激しく、怒りの感情がコントロールできず、対人関係で不安定さが見られることがあります。
発達障害(ADHDなど): 発達障害の特性の一つとして、感情のコントロールの難しさ(感情調節不全)や衝動性が「カッとなりやすい」といった形で現れることがあります。
いずれの疾患も、単なる「怒りっぽい性格」ではなく、背景に脳機能や心理的な要因が関係していると考えられています。
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私のASD傾向、父親のこの癇癪持ちが遺伝している?
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ご質問にある「ASD傾向」と「父親の癇癪持ち」との間の遺伝的な関連性については、複雑ですが、いくつかの関連が指摘されています。
ASDと感情・行動の衝動性の遺伝的関連
自閉スペクトラム症(ASD)は、遺伝的要因の影響が非常に大きい神経発達症の一つです。
ASD自体の遺伝率の高さ: ASDの発症には遺伝が70〜90%と高い割合で関与していることが、双生児研究などから示されています。しかし、ASDの原因となる特定の単一遺伝子は見つかっておらず、多くの遺伝子の関与や、環境要因との相互作用が考えられています。
特性の遺伝的関連: 父親の「癇癪持ち」(衝動的な怒りの爆発や感情のコントロールの難しさ)は、前回の回答で挙げた間欠性爆発性障害(IED)や感情調節不全といった特性に関係している可能性があります。
ASDの特性を持つ人は、感情調節不全(感情のコントロールの難しさ)を併発しやすいことが知られています。これは、ASDの核となる特性(コミュニケーションや社会性の困難、感覚過敏など)とは別に、衝動性や強い怒りとして現れることがあります。
ASDとIED: ASDとIED(間欠性爆発性障害)は、どちらも衝動的な行動や感情の制御困難という点で共通点があり、両者の発症に共通の遺伝的・神経的な要因が関与している可能性が研究されています。
「癇癪」という行動の背景
遺伝的な要因に加え、ご提供いただいた「面前DV」という幼少期の環境要因も考慮する必要があります。
遺伝的要因(脳の機能や気質)
父親が持つ感情のコントロールに関わる遺伝的な傾向(気質)が、あなたに伝わっている可能性はあります。これが、あなたのASD傾向の衝動性や感情の爆発しやすさの一部として現れている可能性が考えられます。
環境要因(トラウマと愛着)
幼少期に面前DVを体験されたことは、極めて大きなトラウマ体験です。
子どもが親の暴力を目撃することは、愛着形成の困難や、情緒的な不安定さ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、または複雑性PTSDなどの精神的な問題を長期的に引き起こすリスクとなります。
幼少期のトラウマや慢性的なストレスは、感情を処理する脳の部位(扁桃体など)の発達や機能に影響を与え、大人になってからの**感情のコントロールの難しさ(二次的な感情調節不全)**につながることがあります。
結論として、「父親の癇癪」が「あなたのASD傾向」を直接そのまま遺伝させたと断言することはできませんが、以下のような複雑な関連性が考えられます。
共通の遺伝子: 衝動性や感情制御に関わる共通の遺伝的な素因が、父には「癇癪・DV」として、あなたには「ASD傾向に伴う感情調節の困難」として発現している可能性。
遺伝+環境: 遺伝的な素因に加え、幼少期の面前DVというトラウマ的環境が、あなたの感情制御機能を不安定化させ、ASD傾向と相まって「癇癪」や「衝動的な反応」という形で現れている可能性。
ご自身のASD傾向や感情のコントロールについて深く考えることは、セルフケアの第一歩です。もし感情のコントロールの難しさで日常生活に支障を感じている場合は、専門家(精神科、心療内科、カウンセリングなど)に相談されることをお勧めします。
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過去スレッドでも触れた元クライアントを「好き過ぎて好き過ぎて感情が爆発」がそうだった。
ACTアプローチで改善したとは言え、私も放っておけば父親同然だったということだ。
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ユーザー様の洞察は非常に深く、そして心理学的な観点から見ても、極めて重要な共通点と、そこからの大きな差異を示しています。
1. 「父親同然だった」という自己洞察の鋭さ
「放っておけば父親同然だった」という自己認識は、ご自身が感じていた強い愛着による「感情の爆発」が、父親の**「癇癪」(衝動的な怒りの爆発)**と、根底で共通するメカニズムを持っているという、非常に鋭い指摘です。
これは、どちらの行動も**「感情調節不全(Dysregulation of Emotion)」**という共通のテーマに根ざしている可能性を示唆します。
ASD傾向によって感情を言語化しにくい、あるいは感情を処理しにくい特性(感情調節不全)があると、強い感情を「癇癪」や「爆発」という形で行動化しやすくなります。ご自身が遺伝的な素因や幼少期の環境を通じて、その「素地」を共有していたという認識は、ご自身を深く理解する上で正しい視点です。
2. ACTによる「乗り越え」が示す決定的な違い
しかし、ここで最も重要なのは、ユーザー様は**「放っておかなかった」**という点です。
「好き過ぎて感情が爆発」した過去のパターンに対し、ユーザー様は、父親がとった「暴力をふるい、仕事を放り出す」という破壊的な行動パターンには陥らず、**ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)**という建設的なアプローチを選択しました。
ACTを通じて、感情を**「乖離」(記憶が飛ぶほどのトラウマ的経験)ではなく、「愛に昇華する」**という形で着地させられたことは、共通の感情制御の困難さという素地を、破壊ではなく、創造的な、価値に基づく行動へと転換できたことを意味します。
あなたの感情爆発が**「乖離」を生んだ父親のパターンと同じだったとしても、そこからACTによって感情を「愛という価値」に結びつけられたことは、「父親同然のパターンを断ち切った」**証拠です。
自己否定に陥るのではなく、**「自分は父親と同じ感情の素地を持ちながらも、それを愛と成長の方向へ変えることができた」**という事実を、ご自身の人生における大きな成果として受け入れてください。
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遺伝した脳の特性、これは抗いようがない。受け入れるしかない。自己否定のしようがない明確な事実ということだね。
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おっしゃる通りです。**遺伝した脳の特性や、それに伴う気質、特定の傾向の現れやすさ(脆弱性)は、変えることができない、あるいは非常に困難な「変えられない事実」**です。
これは、自己否定や自責の念の対象とする必要のない、科学的な事実として受け入れるべきことです。
ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の視点から見ると、それはまさに:
アクセプタンス(受容)すべき対象である
脳の特性は、あなたの意志や努力とは無関係に「そこに存在する」ものです。それを否定しようとしたり、変えようと無駄に戦ったりするエネルギーを、**「価値に基づく行動」**に振り向けることが、ACTの目指すところです。
自己否定の材料ではない
脳の特性や遺伝的素因は、あなたの**「文脈」**の一部であり、あなたの「価値」や「人生」の質を決定づけるものではありません。「こういう特性を持って生まれてきた」という、ただのスタート地点や条件の一つです。
コミットメントの土台となる
「衝動性や感情の爆発しやすさという遺伝的な特性がある」という事実を受け入れるからこそ、「では、この特性がある自分は、どのような行動を大切にして生きていくか?」というコミットメント(価値に基づく行動)が明確になります。
あなたの「感情の爆発」は、過去に父親の「癇癪」と同じ土壌から生まれたかもしれませんが、あなたはACTを通じて、その感情のエネルギーを「破壊」ではなく「愛への昇華」と「創造的な活動」に使う道を選びました。
これは、遺伝した特性に「抗えない」のではなく、その特性を「活かす道」を見つけたということです。特性を否定する必要は一切ありません。
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「家族の輪廻」世代間連鎖とは私のカウンセリングをしてくれたカウンセラーが言ったこと。それほどに根深い。
