感覚が残っているうちに書いておこう。

私の中から何かがこぼれて落ちた。丸い、夏みかん程の大きさでゴムボール程の重さ。肌色からグレーの艶のない色。

ぽとりと落ちたのを感じた瞬間、私はなぜか少し笑顔になった。

何だろうこれは。今まで拘っていたものだろうか。大事に抱え込んでいた何か、だろうか。自分が軽くなったのを感じる。

こんな感覚は初めてだ。


長く続けている絵手紙のボランティア団体。ここに私は強い愛着があり、会員のちょっとした言葉に感情を波立たせていた。

強い愛着のある人からも距離を取るようにした。近くにいると好き過ぎる余り感情が千々に乱れた。上手くコミュニケーションが取れている間はいいが、ひと度食い違うと手がつけられなかった。

ASDの特徴。
強い愛着のあるモノ コト ヒトに対して感情のコントロールができない。
これを認知行動療法で改善した。
「とりあえずその対象から離れる 距離を取る」
これはとても効果的だった。

強い拘りが少しずつなくなり、感情が乱れてコントロールできなくなることはなくなった。

ぽとりと落ちたのはもしかしてこんな強い愛着の塊なのかもしれないと思った。