不倫の先に明るい未来などあるのだろうか。幸せはあるのだろうか。

不倫している瞬間は何物にも代えがたいものだった。相手が既婚者であろうが関係なかった。背徳感、罪悪感の中にこそ輝く純愛のようなものを楽しんでいた。
気がつけば私は全てを失っていた。甘酸っぱい思い出さえ失くした。

不倫は悪だ、と言うつもりはない。現に不倫サイトは存在し、セカンドパートナーなる言葉も生まれている。既婚者の自由な恋愛もOK、という層は確実に増えているようだ。

結婚したら一生添い遂げる、などとも言いたくはない。コミュニケーションが取れなければ、すれ違いが耐えられなければ離婚すればいいし、支配、コントロール(操作)ハラスメントやDVは即相手から逃げるべきだ。

それでも不倫はなくならない。逆に増えている気さえする。
結婚や夫婦の価値観が変わったのだろうか。

『僕は僕に禁止をしない。近親相姦も不倫もすべて僕には当然の自然の摂理なのである。つまり非人間なのだらう』坂口恭平のポストにあった言葉が刺さっている。
(了)